2024年には社内外の激しい環境変化を乗り越え、当社の強みを最大限に発揮し、2030年に向けたビジョンを実現するための道筋としてStory for Vision 2030を公表しました。造血幹細胞遺伝子治療プラットフォームを有するOrchard Therapeuticsの買収、高崎工場でのバイオ医薬原薬製造棟HB7棟の建設および米国ノースカロライナ州でのバイオ医薬品原薬製造工場の建設開始といった投資もこの戦略に沿う形で進めてきました。また、グローバル戦略品についても着実に成長することができました。この間、アジアパシフィック事業の再編や研究開発体制の見直しといった経営判断も伴いましたが、必ず成果に結びつける覚悟を持って前進します。
成長CEOメッセージ:2025年 年頭挨拶~患者さんへLife-changing Valueを届けるために、覚悟を持って変革を進める~
製薬業界をとりまく変化は激しさを増しています。ロシアによるウクライナ侵攻や中東の紛争をはじめ、経済や政治の不安定化や地政学的リスクが増大し長期化しています。製薬産業として楽観視できない状況であり、その変化を敏感に察知し、迅速に対応していく必要があります。
開発パイプラインの進捗としても、Story for Vision2030のもと初期開発品、後期開発品共に着実に試験を進めてきております。注力領域の強化を目的として、昨年11月にはKura Oncology社とのライセンス契約締結を発表しました。今後もポートフォリオ強化を目指し、積極的に戦略投資を検討していきます。また、患者さんの笑顔を作り続けるためには魅力的な自社アセットを生みだすことが最も重要であることから、日米英の創薬エンジンの連携による専門性・リソースの集約を進めるため1月より研究組織を新たな体制にしました。
2025年も覚悟をもって変革を進め、2030年に向けたビジョン実現へと力強く前進します。当社は決して大きな会社ではありませんが、私たちにしか創れない薬があり、それを待っている患者さんがいます。Life-changingな価値を継続的に創出し、患者さんにお届けするには、地域間・組織間の密な連携による横断的な取組の実行、従業員一人ひとりがあらゆる活動の中で挑戦し続けられる企業文化の醸成、多様な人材による高度なチーム力の発揮が必要であり、そのための組織体制や人事制度等の改革も進めてまいります。
当社をグローバルレベルでより強くしなやかなチームとするために、本年3月の株主総会後からCEO・COOの体制に移行します。次期代表取締役社長COOに内定した常務執行役員Chief International Business Officerのマリックは、難しい戦略を策定実行するとともに常に従業員の気持ちに寄り添い、事業と組織、従業員それぞれに高いマネジメント力を発揮してきた素晴らしいリーダーです。新たな体制のもと、引き続き当社一丸となりビジョン実現に向けて邁進します。本年もどうぞよろしくお願いいたしします。
代表取締役社長CEO
宮本 昌志
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