医療アンメットニーズを満たす競合優位性のあるパイプラインの創製を担う疾患サイエンス研究所、革新的な創薬技術の創出を担う創薬モダリティ研究所、創薬基盤機能の高機能化および効率化を図る創薬基盤研究所、安全性試験や動態試験を担う安全性研究所や薬物動態研究所が連携して、効率的な医薬品の創製、革新的創薬技術の創出、基盤技術の高機能化および効率化に取り組んでいます。
研究開発について
創薬プロセス
協和キリンの創薬は、医薬品の研究・開発から製造に至るまで、あらゆる技術・知見・ノウハウを統合し、最大限に活かせるよう8つのプロセスに分かれています。
- 1.創薬基盤研究
- 新しいメカニズムに基づく新薬開発のために、遺伝子、タンパク質などの新たな可能性を分子レベル/細胞レベルで追求します。
- 2.探索研究
- 合成化学やバイオテクノロジーを駆使し、多角的な視点で新薬の可能性を秘めた「種(創薬シーズ)」を探索します。
- 3.開発研究
- 創薬シーズを、有効性・安全性などあらゆる視点から評価し、価値ある新薬候補を創出します。
- 4.臨床開発
- 国内はもちろん、欧米やアジアにも開発拠点を設け、各国の定めた基準に従って高い治験品質で有効性・安全性を評価します。
- 5.トランスレーショナルリサーチ
- 基盤・探索研究で見出された創薬技術や創薬シーズを、臨床で適切に治療効果が発揮できるようにするための、基礎と臨床の橋渡しをする研究のことです。
- 6.生産技術研究
- 創薬シーズを基にして、高品質な製品を、高効率に生産、供給するためのプロセスの開発を進めています。より新しい価値の高い製品を提供するための製剤化技術の開発も行っています。
- 7.生産・品質保証
- 最新の製造技術・設備を有した国内2カ所の工場では、原薬から製品まで厳格なチェック体制のもと、世界品質の製品を生産し、国内・海外に供給します。
- 8.育薬
- 承認取得後の医薬品についても、市販後研究によってリスク・ベネフィットを評価したり、製剤に改良を加えて新しい価値を付けることで、より良い薬に育てていきます。
育薬とは
医薬品の上市後、実際の治療を通して得られた情報をもとに、有効性や安全性の向上、使い方の改善、適応症の拡大などを行い、より患者さんの治療に役立つ医薬品に育てていくプロセスです。
組織紹介
協和キリンの研究開発についてご紹介します。
研究開発の特徴
アンメット医療ニーズに応える画期的な医薬品を継続的に創製し、いち早く上市することを目指して、これまでに積み重ねてきた疾患領域のノウハウを活用しながら創薬から開発、育薬までを統括して取り組む体制で研究開発を進めています。また外部研究機関との共同研究等を活用したオープンイノベーションによる、革新的な創薬技術の確立や新規医薬品候補の創製も強化しています。探索研究から臨床試料を用いたトランスレーショナルリサーチも積極的に取り入れ、より確かな医薬品を開発するための研究開発体制を強化しています。
オープンイノベーションとは
社内外の知識や技術を組み合わせることにより、革新的な新しい価値を創出することです。
研究組織
開発組織
グローバルで質の⾼い臨床試験の計画と透明性の⾼いモニタリングを通じて、開発品の安全性と有効性を評価する臨床開発機能、膨⼤な臨床試験データの管理と専⾨的統計解析業務に携わるバイオメトリックス機能、医薬品の評価・承認に必要な非臨床試験や臨床薬理試験を担う臨床薬理機能、国内治験管理業務と効率化、申請関連資料の作成と総括を担う開発推進機能が、開発統括や推進を担う開発マネジメントオフィスと連携して機動性の⾼い組織運営を図り、グローバルあるいは各国・地域での製造販売承認の早期取得を⽬指しています。
臨床試験情報の公開
協和キリンは、臨床試験の透明性を高めるために、各国の法律や規制に準拠するとともに、国際製薬団体連合会(IFPMA)および日本製薬工業協会(JPMA)の見解を支持し、患者さんのプライバシーの保護に配慮した方法で臨床試験情報の公開を進めています。
1. 臨床試験情報の登録と結果の公開について
臨床試験情報と臨床試験結果の概要に関する日米欧の登録データベース
薬剤として規制当局から承認された場合や、新たに適応追加の承認を受けた場合には、その臨床試験結果の概要をこれらのサイトで公開します。
- 臨床研究実施計画・研究概要公開システム(Japan Registry of Clinical Trials)
- 厚生労働大臣に対して、実施計画の提出などの届出手続を行うためのシステムです。(ご利用方法はこちら)
- 世界保健機関(WHO)が公表を求める事項や研究過程の透明性確保及び国民の臨床研究への参加の選択に資する情報について公開しています。
- 米国国立医学図書館 臨床試験データベース(ClinicalTrials.gov)(英語)
運営・管理:米国国立衛生研究所の国立医学図書館- 患者、その家族、医療従事者、研究者、および一般の人々が容易にアクセスできるように臨床試験に関する情報を公開しています。(ご利用方法はこちら)
- 欧州臨床試験データベース(EU Clinical Trials Register)(英語)
- 欧州連合(EU)または欧州経済地域(EEA)で2004年5月1日以降に開始された医薬品に関する臨床試験の情報を公開しています。
臨床試験情報のデータ共有・分析に関する情報
協和キリン株式会社が実施する臨床試験において生成・解析されたデータセットは、Vivliホームページのポリシーに定めるデータ公開条件を満たす限り、Vivliレポジトリにて公開される予定です。
一般・患者の皆さま向け臨床試験情報
患者さんやそのご家族の方が利用しやすい臨床試験情報は下記サイトにも公開されております。
- 臨床研究情報ポータルサイト
運営・管理:国立保健医療科学院- 患者さんや一般の方々および医療関係者・研究者への情報提供のために、日本で行われている臨床研究(試験)の情報を検索できるサイト※1です。
- 患者本位の「がん情報サイト」
運営・管理:公益財団法人がん研究振興財団- 患者さんやその家族の方が利用しやすい、治験・臨床試験に関わる信頼できる最新のがん情報を調べることができます。
- がん情報サービス
運営・管理:国立研究開発法人国立がん研究センター- がんの新しい治療法(手術や放射線治療も含む)や診断法の評価のために国内で行われている臨床試験の検索サイト※2、※3です
- ※1国内の4つの臨床研究情報登録センター(厚生労働省(jRCT)/大学病院医療情報ネットワーク研究センター(UMIN-CTR)/日本医薬情報センター(JAPIC)/日本医師会治験促進センター(JMACCT))の情報を、横断的に検索することができます。
- ※2次の組織のご協力を得て、各臨床試験登録システムに登録・公開されている臨床試験に関する情報を提供しています。
jRCT(臨床研究実施計画・研究概要公開システム)/大学病院医療情報ネットワーク研究センター(通称:UMINセンター)/一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)/公益社団法人日本医師会治験促進センター - ※3先進医療A、先進医療B、患者申出療養、主たる治験、拡大治験の情報については次のウェブサイトで公開されているものを取り込んでいます。
「先進医療A」、「先進医療B」: 先進医療を実施している医療機関の一覧(厚生労働省)
「患者申出療養」、「主たる治験」、「拡大治験」:主たる治験情報及び拡大治験情報(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
2. 臨床試験結果のパブリケーションについて
協和キリンは、臨床第3相試験の結果やその他医学的に重要な臨床試験の結果について、試験の結果に関わらず、学術誌上、もしくは学会におけるポスター発表や口頭発表などでの公開を進めていきます。