医薬へのアクセス向上

方針・戦略

協和キリンは医薬へのアクセス向上を健康と福祉に関する重要な社会課題と捉えており、さまざまな取り組みを進めています。

協和キリングループ 医薬品アクセス基本方針

協和キリングループの経営理念は、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献することです。

協和キリングループは、病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値の創出に取り組む日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、医薬品へのアクセス向上についても、取り組むべき健康と福祉に関する重要な社会課題と捉えています。

医薬品を一人でも多くの患者さんにできるだけ早く届けることを自分たちの使命ととらえ、「アンメットメディカルニーズ(未充足な医療ニーズ)を満たす医薬品の提供」「医薬品へのアクセス向上」「製品の品質保証と安定供給、および患者さんの安全性確保と適正使用の推進」の3つの観点から必要な機能を明確にし、それぞれの機能を統括する責任者を置き、それらが密に連携しながら、また外部のステークホルダーとも連携して取り組みを推進します。
本基本方針は、当社グループで働くすべての者に適用します。サプライチェーンを構成するすべてのパートナーに対しても本基本方針の精神に基づく行動を促していきます。

アンメットメディカルニーズを満たす医薬品の提供

  • 画期的医薬品創出のための研究開発の推進
    • 協和キリングループは、希少疾患を含む有効な治療法のない疾患に対する医薬品の創出を目指し、その病態メカニズムに着目し、新薬の創出に取り組んできました。今後は、抗体技術の進化への挑戦を続けることに加え、さらに多様なモダリティを駆使し、協和キリンの強みを生かした創薬に取り組んでいきます。また、この研究開発の取り組みを加速させるために、オープンイノベーションも活用します。このようにして生み出された医薬品を患者さんに提供することが、医薬品へのアクセス向上に最も重要であると考えています。

医薬品へのアクセス向上

  • 治験薬へのアクセス
    • 重篤もしくは生命の危険のある症状を有するにも関わらず他に有効な治療方法の無い患者さんには、治験への参加基準を満たさない時でも、治験薬に期待される有効性が患者さんに対する安全性上のリスクを上回ると医師が判断した場合には、各国の規制に従い治験薬の提供可否を適切に検討します。
  • 知的財産の取り扱い
    • 研究開発を経営の基盤とする協和キリングループにとって、知的財産は重要な経営資源です。一方で、経済的な課題がある国においては、特許出願および特許権の行使について配慮をいたします。
  • 疾患啓発
    • 協和キリングループは、グローバルで医療専門家、学術機関、患者団体等と協力し、各国の規制に従い、疾患啓発や患者支援活動の推進を行い、疾患への理解の向上を目指します。
  • 患者支援
    • 品質保証した製品を安全に使用することが可能な場合には、医薬品の入手が困難な患者さんが支援を受けられるプログラムを実施するなど、各国の規制に従い様々なイニシアチブを通じて医薬品へのアクセス向上を目指します。

製品の品質保証と安定供給、および患者さんの安全性確保と適正使用の推進

  • 協和キリングループは、世界中の患者さんが安心して継続的に製品を使用できるよう、グローバルでの効率的なサプライチェーン・マネジメントによる安定供給、製品の品質保証、ならびに患者さんの安全性確保と適正使用の推進に努め、患者さんへ必要とされる医薬品及び関連情報を必要なタイミングで届けます。

指標・目標

通常、医薬品を世界の患者さんに提供するためには各国での承認取得・保険償還を経て上市する必要があります。協和キリンではより多くの患者さんの治療にお役立ていただけるよう、Globalで上市国を増やすことを第一に取り組んでいます。
なお、この上市国・地域数については医薬品へのアクセス拡大の指標としてGlobal展開しているCrysvita®, Poteligeo®の実績を、治療患者数についてはCrysvita®での実績を公表しています。

目標 上市国・地域数:2025年50か国以上

  • *1Ultragenyx社が売上計上するラテンアメリカおよびトルコは含みません。
  • *2治療患者数は当社算定に基づく概数です。

具体的な取り組み

アンメットメディカルニーズを満たす
医薬品の提供

協和キリングループは、有効な治療法のない疾患の病態メカニズムに着目し、新薬の創出に取り組んできました。さらに先進的抗体技術や造血幹細胞遺伝子治療などの革新的なモダリティを駆使し、協和キリンの強みを生かした創薬に取り組んでいきます。

グローバルにおいては、世界中の病気と向き合う人々に笑顔をもたらす医薬品として、Crysvita®、Poteligeo®、Nouriast®/Nourianz®、Libmeldy®/Lenmeldy®を提供しています。また、骨・ミネラル、血液がん・難治性血液疾患、希少疾患を自社で注力する疾患領域として設定しております。これらの領域においてアンメットメディカルニーズおよび疾患の原因やメカニズムを深耕すると共に、先に記載した革新的モダリティの活用や外部連携を通じてLife-changingな価値を継続的に創出します。さらに、2022年に策定した「医薬品アクセス基本方針」に則り、注力する疾患領域のアセットを活用してバリューチェーン全体で医薬品へのアクセス向上の取り組みを推進することで、さらに多くの患者さんに協和キリンの生み出したLife-changingな価値をお届けし、グローバル・スペシャリティファーマとしての成長を実現していきます。

医薬へのアクセス向上

疾患啓発

希少疾患など診断が難しい疾患では、早期に適切な診断を受ける意義はとりわけ大きく、その実現には疾患啓発活動が極めて重要です。また、患者さんはペイシェントジャーニーの過程でいくつもの困難に直面することがわかっています。
協和キリングループでは患者さんとご家族、周囲の方々、医療従事者、その他関連するステークホルダーに疾病に関連する情報をお届けすることにより、疾患の認知度向上を推進しております。また、疾患関連の情報だけでなく患者さんが有している課題についても啓発を行うと共に、その課題に対する情報発信にも努めております。
協和キリングループの疾患啓発活動事例は下記リンク先よりご確認ください。

Shine A Light on XLH(リンク:英語別ウィンドウで開きます日本語別ウィンドウで開きます
the CTCL Global Care Collaborative’s Time to Act global consensus statement(英語別ウィンドウで開きます

  • ペイシェントジャーニー:患者さんが体調の変化を認識してから、病院での受診や服薬などの治療を経て、症状や生活の質が変化するまでの患者さんの「行動」「思考」「感情」などの過程のこと。

患者さん支援

「医薬品へのアクセス拡大の指標」にも記載の通り、協和キリンではより多くの患者さんの治療にお役立ていただけるよう、Globalで上市国を増やすことを第一に取り組んでいます。一方、有効な医薬品があっても各国の規制状況が異なるなどの理由により、必要とする患者さんが医薬品にアクセスできない場合があります。このような状況に対する取り組みとして、医師からの要請に対して適格性を判断したうえで、医薬品を提供する取り組みを行っております。
例えば、臨床試験を終えその国で製造販売承認を取得の後、保険償還されるまでの期間における医薬品へのアクセスを確保するために「早期アクセスプログラム」を運用しております。また、製造販売承認取得を予定していない国においても、患者さんの医薬品アクセスの可能性を確保するために「指定患者プログラム」を行っております。
協和キリンの医薬品を必要とする患者さんが早期にアクセスできるよう、一部の医薬品において、各国の規制状況に応じてこれらの活動を検討・実施しています。

製品の品質保証と安定供給、
および患者さんの安全性確保と適正使用の推進

関連する取り組みは、以下のページをご覧ください。

その他、関連する取り組み

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)への参画

協和キリンは2016年より、開発途上国の感染症に対する新薬創出を促進するための官民パートナーシップ、公益社団法人 グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund、以下「GHIT Fund」)に参画しています。

GHIT Fundは、グローバルヘルス分野の製品開発に特化した世界初の官民パートナーシップとして、日本政府、日本の製薬企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカムトラスト、国連開発計画の共同出資により構成される、唯一の国際的な公益法人です。

協和キリンは、GHIT Fundの設立趣旨ならびにその活動内容に賛同し、現在治療法がない病気の新薬を患者さんに届けるための活動をサポートすることで、グローバルヘルスの向上に貢献していきます。

バイオ医薬品における医療費負担の軽減を目指した取り組み

公的医療支出の増加に伴い、それらを抑制することは各国で課題となっています。

協和キリングループとしても、協和キリンフロンティアおよび協和キリン富士フイルムバイオロジクスとともに、医療費抑制に対する社会的要請に応え、より多くの患者さんが治療を受けられる機会を増やすことで社会に貢献していきます。

詳細は、各社ホームページをご覧ください。

患者さんを中心に置いた医療ニーズへの対応
トップへ戻る