社会との共有価値 【解説記事】SDGs週間とは?2022年に行われたイベントや企業の事例についても紹介
国連で2015年にSDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)が採択された9月25日を含む1週間は、「SDGs週間」と呼ばれる。
本記事では、「SDGs週間」の概要や2022年に日本で行われたイベントについて解説していく。
SDGs週間とは?
SDGs週間とは、SDGsが採択された9月25日(GLOBAL GOALS DAY)を含む、毎年9月末の1週間の期間である。
SDGsへの意識を高め、行動を喚起する目的のために、SDGs週間の期間中は世界中でイベントが開催される。
SDGs週間の成り立ちと歴史
SDGs週間が始まったのは、SDGsが採択された1年後の2016年からで、Project Everyoneや国連開発計画、国連財団が主導している。
最初は12団体しか参加していなかったイベントだが、SDGsの知名度が高まり、現在では100以上の団体が参加している。
日本での開催
日本では、日本最大級のSDGsフェス「HAPPY EARTH FESTA」が開催されている。
2022年は沖縄にて9月17日〜25日の9日に渡ってイベントが行われた。2023年は9月19~25日の7日間、沖縄・東京にて開催予定だ。(※2023年6月現在)
SDGs週間には、SDGsに関するイベントが各地で開催されている。自分の住んでいる地域や企業の取り組みを調べてみると良いだろう。
日本のSDGs週間、HAPPY EARTH FESTAとは?
日本のSDGs週間のイベントとして、最も有名なのがHAPPY EARTH FESTAだ。ここでは、HAPPY EARTH FESATのテーマや目的を解説する。
HAPPY EARTH FESTAの開催テーマ
2022年のテーマは「私にもできるSDGs〜幸せな未来を共創しよう〜」だ。
世界中のさまざまな社会課題解決に向け、取り組みが行われているが、課題はまだ山積みだ。幸せな未来に向けて考え、行動を起こすきっかけとするために、このテーマが決められた。
HAPPY EARTH FESTAの3つの目的
HAPPY EARTH FESTAの開催目的は下記の3つである。
- すべての人へのSDGs認知、意識を高め行動を起こすきっかけを共創する
- 幸せな未来を共創するチェンジメーカーを育成する
- 持続可能なソーシャルビジネスを創出し、新たな雇用の創出、幸せな地域づくりを共創する
また、HAPPY EARTH FESTAでは、SDGs達成目標の2030年、さらに多くの課題を抱える2050年までの継続開催を目標としている。沖縄を拠点として、全国への開催や地域連携を目指している。
出典:【SDGs週間】HAPPY ERATH FESTA|GLOBAL GOALS WEEKとは|日本最大級のSDGsイベント
2022年のHAPPY EARTH FESTAの様子
2022年のHAPPY EARTH FESTAでは、SDGsに関係の深い内容や沖縄に関連する内容はもちろん、お金の話やWeb3(ブロックチェーン技術を活用した分散型ウェブの世界のこと)に関するトークセミナーなどが行われた。
また、カラオケ大会やキャンプなどのアクティブなイベントも用意されていたため、参加者も一緒に楽しむことができた。
2022年のHAPPY EARTH FESTAの様子は、YouTubeでも公開されているため、気になる人はこちらをチェックしよう。
なぜ、沖縄で開催されたのか?
HAPPY EARTH FESTAが沖縄で開催されたのは、沖縄が日本の縮図だと考えているからだという。沖縄というシマ社会の課題は、島国である日本の社会課題を映し出しているという考えだ。
また、沖縄はMICE(※)の開催地としても選ばれている。世界的に意味のあるイベントで沖縄が選ばれる理由は、以下が挙げられている。
- ※MICE:下記の頭文字から取った多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントの総称。
- Meeting(企業や組織などが行う会議)
- Incentive Travel(企業や組織などが行う報奨・研修旅行)
- Convention(国際機関や団体、学会などが行う国際会議)
- Exhibition/Event(展示会や見本市、イベント)
寛容なヒトと土地があるから
沖縄はかつて琉球王国の名で、日本や中国をはじめとする東南アジアの国々と中継貿易を展開し、海邦交流拠点として多様な価値観を受容してきた。
そのような歴史から、文化の垣根を越え、訪れるすべての人を受け入れるオープンマインドが受け継がれている。
自然豊かなリゾート地だから
日本にありながら独自の歴史や文化、自然環境をもつ沖縄ならではの癒しの空間が、会議やコミュニケーションを活性化させる。
本土にはない特別な体験を提供してくれる沖縄は、ひらめきや創造性が生まれやすい場所なのだ。
アジアとつながるビジネス交流拠点だから
日本最南端の沖縄は、直行便で4時間圏内に日本はもちろんアジアを含む約20億人の市場へ、アクセスが可能なMICE都市である。
近年は、最先端医療や健康、バイオ、再生可能エネルギーなど、亜熱帯・海洋島嶼型の先進課題研究が加速しており、MICE参加者のビジネス・研究にも寄与する環境として需要が高まっている。
SDGs週間における企業や地方自治体の取り組み
HAPPY EARTH FESTA以外にも、日本の企業や自治体ではSDGs週間の期間中でさまざまな取り組みが行われている。2022年に行われた企業や自治体の取り組みを紹介する。
コカコーラ・ボトラーズジャパン
コカコーラ・ボトラーズジャパンでは、2022年のSDGs週間の期間に合わせて、実際に取り組んでいるSDGsの活動について発表した。
マネジメントとワークショップを経て、3つのプラットフォームと今後取り組むべき9つの課題を決定した。それぞれについて解説していく。
多様性の尊重
企業の持続的な成長を目指し、さまざまなステークホルダーのニーズに応えるため、多様な人材の育成に注力している。
それぞれ異なるバックグラウンドや価値観をもつ社員が活躍できるような職場環境の構築を目指している。
成し遂げるための優先事項となる課題としては、下記のふたつを挙げた。
- ジェンダー
- 年齢/世代
また、重点事項となる課題として、下記のふたつも挙げている。
- 障害者支援
- LGBTQ+
地域社会
持続可能な地域社会の発展や社会課題の解決に向けて取り組んでいる。
成し遂げるための優先事項となる課題として、下記のふたつを挙げている。
- 全国規模で行う2つのプラットフォーム(多様性の尊重、資源)で影響力を発揮
- 持続可能で、かつ、地域にも関連性のある取り組み
資源
大切な資源を持続可能な形で有効活用していくため、継続的に改良・工夫を進め、日本国内の環境保全の貢献に取り組んでいる。
成し遂げるための優先事項となる課題として、下記のふたつを挙げている。
- 容器/PET
- 水
また、重点事項となる課題として下記のふたつも挙げた。
- 温室効果ガス排出量
- 再生可能エネルギー
公益社団法人仙台青年会議所
公益社団法人仙台青年会議所では、2022年のSDGs週間に合わせて「未来を考える1週間」をテーマとし、多くの企業や団体を巻き込み、仙台市内で「SDGs Week」を開催した。
また、幅広い世代が楽しめるイベントになるよう、SNSで話題のインフルエンサーを招待し、若年層の参加も促した。
株式会社トヨコン
株式会社トヨコンでは、お客様とSDGsでつながる三大施策が2021年〜2022年の1年間で行われた。具体的な施策は下記のとおりである。
- SDGs関連商品を開発する
- SDGs先進企業としてのブランドを確立する
- SDGsサービスをプロデュースする
2022年は、SDGsへの理解を深める「SDGsカードゲーム研修」や「地域とつながるイベントへの参加」「地域行政との連携」などさまざまなSDGsへの取り組みを行っていた。
まとめ
SDGs週間は、国連でSDGsが採択された9月25日(GLOBAL GOALS DAY)を含む、毎年9月末の1週間の期間のことだ。日本各地でSDGsに関するイベントが開催されており、最も注目されているのはHAPPY EARTH FESTAだろう。
自分の地域でSDGs週間に開催されるイベントをチェックして、積極的に参加してみてはどうだろうか。