社会との共有価値 【解説記事】【SDGsへの取り組み】個人でもできることを紹介!
SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)の記載がある2030アジェンダが採択されて以降、多くの国のさまざまな企業や団体で、SDGsの取り組みが実施されていることを知っているだろうか。
協和キリンでも、社会と共有できる価値のある経営、CSV経営をとおして、SDGsの目標達成に向けた取り組みを行っている。取り組み内容は、人権、職場づくり、環境、消費者課題など。これら多岐にわたる取り組みを協和キリンでは行っている。協和キリンの取り組みの詳しい内容はこちら
企業が取り組めることもあるが、個人でのSDGs達成に向けた取り組みも重要であるといえるだろう。私たちひとりひとりがSDGsを意識し行動することで、世界は確実に変化していく。この記事では、個人でもできるSDGsへの取り組みを紹介していく。
世界各国でSDGsへの取り組みが行われている
SDGsは、MDGsの後継として、2015年9月の国連サミットの「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された。持続可能でより良い社会の実現を目指す2030年までの世界共通の目標である。
開発途上国向けの目標だったMDGsとは違い、先進国を含めたすべての国が取り組むべきものと位置づけられたのがSDGsだ。各国の政府をはじめ、各国の企業やさまざまな団体がSDGsに取り組んでいる。
日本でも、SDGsをゴールに向けた取り組みを進める、政府が2016年に「SDGs推進本部」を設置した。SDGs推進本部では以下のようなSDGs実施指標の策定を行った。
- 「国内にはどのような課題があるか」
- 「SDGsの17の目標のうち何を優先すべきか」
取り組みを分析した改定が行われている。そして、官民パートナーシップをもとに、SDGsの達成に向け、さまざまな取り組みが推進、実施されているのが現状だ。このように、日本国内、世界で、SDGsを軸に置いたさまざまな取り組みが継続して行われている。
SDGsの達成のために個人ができること
SDGsは、国や企業など、大きな組織の取り組みに限定されるものではない。地球に住むひとりひとりの、SDGs達成に向けた行動が重要視されている。
SDGsは身近なことからはじめよう!
ひとりひとりが意識してSDGsに取り組むためにも、まずはSDGsを正しく理解し、毎日の生活のなかから自分にできることを実行していく姿勢をもつことが重要だ。
SDGsは世界的な目標という位置づけであることから、一見すると壮大で、私たちとは直接関係のないものに思えてしまうだろう。確かに、たったひとりの行動が変化しても社会に及ぼす影響は大きくないのかもしれない。
しかし、ひとりひとりがSDGsを意識し、行動するようになったらどうだろうか。多くの人が取り組み、行動すれば世界は大きく変わるはずだ。
このように、SDGsの達成には、国や企業などの啓発活動をもとに、ひとりひとりが主体的に行動することが重要だとされている。
SDGsの理解が不足していると感じている人は、以下の記事を読むと理解が深まるだろう。SDGsの概要をわかりやすく解説しているため、ぜひ読んでみてほしい。
国連が公開したSDGsのアクション・ガイド
ひとりひとりがSDGsに取り組むことが重要といっても、壮大な目標のために何をして良いのかいまいちわからない人は多いだろう。そこで、誰もが簡単にSDGsを実践できるように、国連によるアクション・ガイドが公開された。
「持続可能な社会のためにナマケモノにもできるアクション」というガイドだ。私たちが日常生活で簡単に取り組める行動を4つのレベルに分けて示したものだ。個人がSDGsに取り組む参考になるだろう。具体的な内容は次の項目で詳しく解説していく。
ナマケモノにもできるアクション・ガイド
国連の公開している「持続可能な社会のためにナマケモノにもできるアクション・ガイド」から個人レベルでできるSDGsの取り組みをいくつか紹介したい。
レベル1「ソファに寝たままできること」
アクション・ガイド、レベル1からいくつか紹介する。いずれもガイドの中でも取り組みやすい内容なので、まずはレベル1からはじめてみるのも良い。
- 電気を節約する
使っていないときは電源を完全にオフにして節約を心がける。使用のたびにコンセントを抜くのは大変なので、電源タップに差し込んでオンオフするのが便利だ。照明も、日中明るいときは消すようにするなど、必要のない電気は使わないようにする。 - SNSの投稿はシェアする
SNSを利用して、「いいね!」と共感を覚えてボタンを押す人も多いと思う。女性に関する権利や、環境の変動などの投稿が良いものであれば、多くの人に知ってもらうために、「いいね!」だけでなくシェアをする。シェアにより多くの人が関心をもつことに意味があるからだ。 - ムダな印刷はやめる
必要のない印刷は紙をムダにするので控える。印刷を用いて管理する必要がある場合は、メモやデジタル付箋で代用するのがおすすめだ。紙の節約は森林の破壊を防ぐことにつながるだろう。 - 支払いはオンラインを使う
支払いを請求書で行うと紙を消費することになる。支払いはオンライン上で済ませるのがスマートだ。オンラインやモバイルなら、自宅にいながら支払いも実行できる。 - 環境の取り組みを実施している企業の製品を買う
オンラインで検索すると、企業が持続可能で環境にやさしい取り組みを実行しているか確認できる。環境保護のためにも、環境に良い取り組みを行っている企業の商品を選択するのが良い。
レベル2「家にいてもできること」
自宅にいてもできるSDGsの取り組みは多い。レベル1の寝ころびながらでもできることが苦でなければ、レベル2の家にいてもできることは、そこまで難易度は高くないはずだ。たとえば、以下のようなことがSDGsの取り組みとしてできる。
- シャワーですませる
お風呂にお湯をはって入浴すると、5~10分のシャワーに比べ大量な水が必要になる。水を節約するためにも、できるだけ入浴は短時間のシャワーですませると良い。 - 生鮮食品や残りものは早めに冷凍を
生ものは腐りやすい。残飯は気を抜くと食べ忘れてしまう。食べものをムダにしないためには、早めに冷凍することだ。冷凍して保存できる期間を長くすることによって、食べものもお金も余計な消費にならないはずだ。 - 肉や魚よりも植物を
植物に比べ、肉の生産は多くの資源が使われる。資源を過剰に消費しないためにも、肉や魚を控えて植物を積極的に摂取するのが良い。 - エアコンの設定温度を気にかける
エアコンの消費電力は設定温度で変わる。夏は高め、冬は低めに設定するのが省エネのコツだ。エアコンが効率良く稼働できるようにするためにも、窓やドアのすきまはできるだけふさぐようにしよう。
レベル3「家の外でできること」
家の外でも個人レベルでできるSDGsの取り組みがある。
- 地元で買い物をする
買い物は、できるだけ地元ですませるようにする。地元での消費は、地元企業の雇用を守ることにつながるだけでなく、長距離トラックでの調達も減らせるためだ。 - 訳あり品を買う
形や大きさ、色が規格に合わない、いわゆる「訳あり品」は、そのような理由で廃棄されてしまうことがある。訳あり品が販売されていたら、妥協できるなら廃棄を減らすためにも積極的に購入するよう心がける。 - 詰め替えできるボトルやカップを使う
コーヒーショップなどで飲み物を購入する際は、詰め替え可能なマイボトルやカップを使うようにする。ショップによっては値引きしてもらえることもあってお得であるし、環境にもやさしい。 - マイバッグ持参で買い物をする
日本ではレジ袋が有料化され、マイバッグの利用が推奨されるようになった。環境のためにもマイバッグの利用は有効だ。いつでも買い物中にマイバッグが使えるよう、常に持ち歩くことを心がける。 - 使わないものは寄付する
使わなくなったものでも別の場所で有効活用されるかもしれない。使わなくなった服、本、家具などがあれば、慈善団体などに積極的に寄付をする。
レベル4「職場でできること」
ナマケモノにもできるアクション・ガイドのレベル4には、以下のような職場でできることがあげられている。
- 労働者としての権利を知る
職場環境を良くする第一歩は、労働者自身が、自身の置かれている状況、権利を知ることだ。労働者としての権利、労働にまつわる権利について知り、理解を深めるようにする。 - 社内の冷暖房は省エネ型にする
冷暖房装置を取り入れているオフィスは多い。少しでも環境に配慮するため、社内の冷暖房装置は省エネ型を取り入れるよう心がける。 - 職場での差別に声をあげる
SDGsでは、人はみな不平等であってはならないとしている。だからこそ、本質的に同等であるよう努力しなければならない。性別、人種、身体能力、社会的背景、ジェンダー、どのようなことであれ、差別には声を上げることが重要だ。 - 通勤方法を考える
通勤方法は、できるだけ環境に配慮した方法にする。自転車や徒歩、公共交通機関での移動がベストだ。自動車での移動は、乗り合わせや大人数で移動するときに限定する。
まとめ
SDGsの盛り込まれた2030アジェンダ採択以降、世界中でSDGsの取り組みが行われるようになった。国や企業に限らず、私たち個人レベルでもSDGsに関わる取り組みはできる。
国連の「ナマケモノにもできるアクション・ガイド」では4つのレベル別に個人でできることがあげられているので、参考にしてみると良い。まずは個人レベルで、SDGsを意識することが重要だ。