ペイシェント今年もグローバルで多彩な取り組みを実施 「RDD2022」アジア太平洋編
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毎年2月最終日は、世界希少・難治性疾患の日(RDD)!
「世界希少・難治性疾患※1の日(Rare Disease Day:RDD)」は、より良い診断や治療によって、希少・難治性疾患の患者さんのQOL(Quality of Life, 生活の質)を向上することを目指している。2008年にスウェーデンで始まり「希少なうるう年があるから」という理由で毎年2月末日に定められた。毎年、この日に向けてさまざまな取り組みがおこなわれており、近年は100か国で関連イベントが開催され、希少・難治性疾患領域で世界最大級の社会啓発活動となっている。
協和キリンは、経営理念として「世界の人々の健康と豊かさに貢献」を掲げており、患者さん目線に立ち、より良い医療と生活環境を作ることを目指す「ペイシェントアドボカシー(PA)※2」に力を入れている。
希少・難治性疾患の人々を取り残さず、患者さん目線でサポートすることを呼びかけるRDDは、PA、そして経営理念を体現する日だとも言える。そのため、協和キリンでは毎年、RDDの前後に世界のリージョンごとに社内外で啓発活動をおこない、理解と支援を呼びかけてきた。協和キリンのアジア/パシフィック地域ではどんな活動がおこなわれたのだろうか?
- ※1希少・難治性疾患
患者数が少ないことや、病気のメカニズムが複雑なことなどから、治療・創薬の研究が進まない疾患を指す。 - ※2ペイシェントアドボカシー
「患者、医師、製薬会社の対話と連携により、疾患に関する正しい理解を促し、より良い医療と生活環境を築こう」という考え方。「ペイシェント」は患者、「アドボカシー」は「擁護・代弁」を意味する。
オーストラリアでは、XLH※3の患者さんとその介助者に関する調査を実施
協和キリンのオーストラリア拠点であるKyowa Kirin Australiaは、X連鎖性低リン血症 (XLH)の患者さんの支援団体である「XLH オーストラリア(XLHA)」と協働し、XLHの患者さんとその家族や介助者が直面する身体的、精神的、社会的、経済的負担に関する初の調査を実施。その結果、XLHが51%の患者さんのメンタルヘルスに影響していることや、患者さんの83%が自己肯定感の低さに苦しんでいることが明らかになった。XLHAのウェブサイトで公表した調査結果は、より多くの人が患者さんの状況を理解するきっかけになっている。
XLHについて詳しく知りたい方はこちら↓
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地元の希少・難治性疾患のコミュニティをサポートする活動に参加
協和キリンアジア/パシフィック地域を統括するKyowa Kirin Asia Pacific Pte. Ltd.は、シンガポール希少疾患協会(Rare Disorders Social Singapore : RDSS)が今年2月に開催した「キャリーホープチャレンジ2022」に参加した。これは希少・難治性疾患の啓発イベントで、参加費や寄付金として集まったお金は、患者さんの自宅学習や治療に使われる。
この活動の面白いところは、参加者がRDSSのマスコットであるナマケモノの「HOPE(ホープ)」のぬいぐるみと一緒に、7.7km分をランニングか、ウォーキングか、自転車で移動し、その様子をSNSに投稿する点だ。RDSSのウェブサイトには、HOPEのぬいぐるみをいろんな場所に運ぶことは、希少・難治性疾患の患者さんに代わって希望(HOPE)を運び、広めるようなことだと書かれている。
今回は、社内での呼びかけに応じ、シンガポール、日本、マレーシア、オーストラリアから20人以上の社員が活動に参加。また、会社が社員の登録料を負担し、さらに登録料と同額の寄付をした。参加した社員は、社内SNSやLinkedInを通じて写真やビデオを共有。楽しそうな様子が話題になった。
この活動は、希少・難治性疾患への人々の関心を高めるだけでなく、患者さん自身をサポートする機会にもなった。これにより参加者が「希少・難治性疾患の患者さんを支援したい」という思いをこれまで以上に高められたことも、大きな収穫ととらえられている。
これからも「患者さん目線」を大切に
Kyowa Kirin Asia Pacific Pte. Ltd.では、患者さんの声を聞き、直接的な支援となる活動に参加した。ここで得た学びが、今まで以上に、患者さんを中心に置いた医療ニーズへの対応につながっていくだろう。
[関連: 今年もグローバルで多彩な取り組みを実施 「RDD2022」日本編]
- ※記事中の協和キリングループの活動は、活動を行った国・地域の関連法規を遵守し実施されました。
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