ペイシェントRare Disease Day 2024 (世界希少・難治性疾患の日):世界各地の従業員が示した、想いを寄せる姿勢
毎年2月最終日の「世界希少・難治性疾患の日(RDD:Rare Disease Day)」は、希少・難治性疾患の患者さんのQOL(生活の質)向上を目指す世界的な取り組みです。協和キリンは毎年、啓発活動を行い、希少・難治性疾患の現状を知るとともに支援への想いを新たにする機会にしています。
今年も2月最終日である2月29日と2月のRDD月間に、世界各地の従業員が様々な取り組みを行いました。
【北米】キャンペーン参加や映画上映を通じてRDDを考える
北米では昨年に続き、北米のRDDキャンペーンをリードするアドボカシー団体NORD(全米希少疾患患者協議会)のスポンサーとしてRDDを支援しました。NORDは希少疾患と共に生きる人々やそのご家族の健康と福祉を向上させるため、様々な研究や具体的な施策、プログラムを実施しています。
社内ではまず、個人ができる活動としてNORDの「#ShowYourStripesキャンペーン」への参加を呼びかけました。「#ShowYourStripes(あなたのストライプ柄を見せて)」は、米国でシマウマが希少疾患のシンボルである※ことになぞらえて、ストライプ柄の服や小物を身に着けるキャンペーンです。希少疾患について話すきっかけを作り、理解を広めることを目的としています。
2月6日には、希少疾患に関する映画の上映会を開催。担当者が「Disorder: The Rare Disease Film Festival」という希少疾患がテーマの映画祭で上映された作品の中から短編映画を4本選び、リアルとオンラインの両方で見られる形式で上映しました。参加者は世界中の希少疾患を抱えて生きる何百万人もの人々の生活について、理解を深めることができました。家族関係がどのように変化するのか、またどのようなサポートを受けているのかについても知る機会となりました。
さらに、米国のテレビ番組「ビハインド・ザ・ミステリー™」の「X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症 (XLH)」放送回の制作スポンサーにもなりました。番組は希少疾患と遺伝子疾患の認知度向上を目的とした初めてで唯一のテレビシリーズで、心に響く患者さんのストーリーを通じて、視聴者の理解を深めることを目指しています。医師、患者さん、その家族の声を伝え、多くの人々がXLHについてより深く知るきっかけとなりました。
- ※シマウマの縞模様が使われている理由は、医学生がよく言われる“When you hear the sound of hooves, think horses, not zebras.(蹄の音を聞いたら、シマウマではなくウマを思い浮かべなさい)”という言葉に由来しています。この一節は、診察の際、患者さんの病気が希少疾患だと誤診しないように、まずはこれがよくある病気だと診断することが通常は正しい姿勢だ、という考え方を伝えるたとえとして用いられています。しかし、実際は希少疾患だということもあります。そのことを忘れないようにするために、希少疾患の啓発活動をおこなう人々は「シマウマ」をシンボルに使っているのです。
【EMEA】各地の啓発キャンペーンに参加
EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)では、組織全域で活動を展開しました。
DACHクラスター(ドイツ、オーストリア、スイス)では、主にドイツで行われた希少疾患の啓発キャンペーン「#wiedu」のスポンサーとなり、従業員が様々な活動に参加しました。
その一つが、希少疾患の患者さんが主体となって開催している「LOUDRARE ONLINE FESTIVAL」というオンラインイベントです。このイベントでは患者さんや医師、製薬会社の従業員などのステークホルダーが、対話を通じて希少疾患患者さんの病状の経過を改善する方法を一緒に考え、とても意義深い場となりました。この他にも、ボッフム大学とデュッセルドルフ大学で実施された患者さん主催のイベントの現地サポートを行いました。
また、ドイツ語圏の媒体で希少疾患患者さんの声を伝える独自の記事を掲載し、多くの方に当事者の声を届けることができました。
北部クラスター(北欧・英国)の担当者は、遺伝子疾患の患者支援団体(Patient Advocacy Groups/PAGs)200以上が加盟するGenetic Alliance UKによるRDD 2024祝賀会に出席しました。この会は英国の議会下院で開かれ、患者団体や政治家、製薬業界から集まった参加者が希少疾患の患者さんや国会議員、保健大臣の話を聞きました。
全従業員が参加する会議では、RDDの意義を認識し、祝う時間を持ちました。その際に会場をライトアップし、全社で行われたRDDへの賛同を示す活動である「#LightUpForRare」に参加しました。
【日本】全従業員が参加できるメッセージイベントを初開催
日本では、食堂でのイベント、トップマネジメントの動画の発信、全従業員が参加できる「メッセージイベント」を実施しました。
各工場、研究所の食堂では、昨年度に続き希少・難治性疾患の患者さん向けの療養食メニューの提供や、関連する動画の放映などを行いました。
宇部工場(山口県)にはRDD Japan事務局よりブースも出展され、希少・難治性疾患に関するレクチャーが開催されました。パンフレットやパネル、RDD公式寄付グッズが並び、従業員が希少・難治性疾患について学びを深める貴重な機会になりました。
ポイントは、従業員が昼食の時間に気軽に参加でき、体験を通して学べる形にしたことです。「研究所や工場の従業員が日常的な職場環境の中で、患者さんや疾患自体に想いをはせられる機会を作りました」と担当者のコーポレートコミュニケーション部の豊泉夏紀さんは語ります。
またRDD月間に、協和キリンの従業員全員が共有している「私たちの志」に改めてふれ、考える取り組みを2つ実施しました。「私たちの志」には希少・難治性疾患も含む、病気とともに生きるすべての人たちの「いのちと歩み続ける」という私たちの想いが表現されています。1つ目は昨年度から継続しているトップマネジメントからのコメント発信です。従業員が、日ごろはなかなか知ることができない「私たちの志」に対する経営陣の熱い想いを受け止める機会になりました。
2つ目は、今年新たに始めた「メッセージイベント」です。本社用とオンライン用に「私たちの志」の全文を貼ったボードを準備し、従業員それぞれのお気に入りフレーズにリアクションを示すシールを貼る仕組みです。ボードは毎日どんどん鮮やかになっていき、「ここはシールがたくさん貼ってあるから想いの強い従業員が多いんだね」といった発見を話し合う参加者もいました。
締めくくりに全社としての活動も実施
協和キリン全社としては、RDDへの賛同を示す活動として「#LightUpForRare」に参加しました。世界中の協和キリン従業員に明かりにまつわる画像や動画の作成を呼びかけ、集まったものを1本の動画にしました。
協和キリン全社で実施するRDDのイベントは、今回が3回目となりました。世界各地でそれぞれの担当者ができることを考え実行に移しており、取り組みの輪が広がっています。協和キリンでは今後も、希少・難治性疾患を含む病気に向き合う人々に想いをはせ、自分たちの使命と働く意義を再認識する機会を持ち続けていきます。