People & Culture 目指していたグローバルな仕事。子育てと仕事を両立しながらマネージャーへ。

目指していたグローバルな仕事。子育てと仕事を両立しながらマネージャーへ。 目指していたグローバルな仕事。子育てと仕事を両立しながらマネージャーへ。

子育てをしながらキャリアを築いていきたい。ライフステージが変わるたびに、さまざまな選択を迫られる人は多いでしょう。今回は、協和キリンで仕事と家庭・育児を両立させ、経営職としても活躍する木村真弓にどのようにキャリアを重ねてきたのか、入社から現在に至るまでの経緯やステージが変わった際の心境の変化などについてお話を聞きました。

インタビュイー

協和キリン株式会社 事業開発部 提携創造1グループ マネジャー

木村真弓(きむら まゆみ)

グローバルな仕事がしたいと製薬会社の研究職を志す

―協和キリンに入社したきっかけを教えてください。

大学に入学したころから最先端のテクノロジーによって世の中に新しい価値を提供する仕事がしたいと思っていて、就職活動時に製薬会社の研究職にターゲットを絞りました。「医薬品を生み出すための研究」という仕事であれば、モチベーションを高く保って働けると思ったからです。そのなかでも協和キリンは、日本発の会社で抗体技術に強く、当時からグローバル化を目指していることを公言していたので、その過程に携わりたいと思いました。実はわたしは帰国子女で、小学生のときに父親の仕事の関係でアメリカに5年間住んでいたことがあり、その経験からグローバルな仕事に興味がありました。

―結婚や育児と仕事の両立ができるかどうかは視野に入れていましたか。

結婚や出産をしても仕事を続けていくのだろうなとは思っていましたが、両立がしやすいかという観点で会社や職種を選ぶことは特段しませんでした。アメリカに住んでいたころは、夫婦共働きで子育てをする家族の姿を当たり前のように目にしており、日本もいずれそのような社会になると父親によく聞かされていたこともあり、わたしもきっと両立できるだろうと漠然と思っていたように記憶しています。幸いなことに、実際に入社してみても、子育てと仕事を両立されている女性の先輩がおり、出産後も働いている先輩や後輩がその後もどんどん増えたので、過剰に心配に感じることはありませんでした。

―入社5年目に、その研究職から今の事業開発部に異動していますね。きっかけはなんですか?

入社4年目にアメリカのベンチャー企業と共同研究する機会がありまして、そのとき、今所属している事業開発部の担当者と接する機会があり、面白そうな仕事だと興味を持ったのがきっかけです。入社時は、研究の仕事しか視野になかったので、少なくとも10年は研究職を続けようと思っていたのですが、ほかにもっと面白そうな仕事があることを知り、10年研究を続けてから、ほかの仕事に挑戦するのか、それとも早く挑戦したほうが良いのか…。自分のキャリアについて悩み始めました。それで、当時の上司とのキャリア面談のときに相談し、「事業開発部の仕事が面白そうだと感じている」という話をしました。すると、上司が「木村さん、事業開発部にすごく向いていると思う」と、異動を後押ししてくれたのです。そのときは独身だったので、子育てと両立しやすい仕事かどうかという観点はありませんでした。

―具体的に事業開発部ではどんな仕事をするのですか。

国内外の製薬会社やバイオベンチャー企業との間で、医薬品の研究開発や販売に関する提携の契約交渉をしたり、提携先との間で生じる問題の解決をしたりする仕事です。具体的には、提携の機会の探索・契約交渉、提携パートナーとの間の関係維持、提携を進める上での課題解決などを行います。相手先の企業と交渉するだけでなく、その準備のために、社内の様々な部署と議論や調整を行うことも多いです。数々の困難を乗り越え契約締結に至ったときは、提携パートナーも社内関係者も心から喜んでくれて一体感が生まれ、とても達成感があります。

コロナをきっかけに出産を決意、経営職に昇格

―異動して2年目の2015年に結婚、2021年に出産をされていますね。

今の部署は、海外とのやり取りが多く、相手国や仕事の状況によっては、夜や早朝に電話会議が入ったり、急に時間外の対応を求められたりすることがあります。結婚はしたものの、出産して子育てと両立できるかどうかは、少し不安な面がありました。出張もあったし、趣味や旅行を優先させて、正直、出産は先送りにしていたところがあります。それがコロナ禍に入り自宅で過ごす時間が長くなることで、あらためて落ち着いて家族や子どもなど、人生設計について考えるようになりました。

―育児休暇から復帰直後の2022年4月に経営職にキャリアアップされていますが、希望されたのでしょうか。

キャリアを積む中で自然と、いずれは経営職に就きたいという希望をもつようになりました。偶然かもしれませんが、私がこれまで当社で上司・同僚、同期など同世代の仲間と接する中で「女性だからキャリアアップしない(意識的にキャリアをセーブする)」というような考えに遭遇した経験は、ほぼありません。ただ、出産することになったので、昇格する時期は何年か先になるだろうと思っていました。そしたら、産休に入った直後に昇格試験を受けさせてもらえることになったのです。まさか出産のタイミングで、昇格する機会を与えてもらえるとは思っていなかったので、とても驚きました。

―育児休暇後、復帰する際に心境の変化や不安はありましたか?

産休に入る前にすごく温かく送り出してくれたように、戻るときもきっと温かく迎え入れてくれるであろうと安心できたので、職場環境に対する心配は全くしていませんでした。ただ、自分が以前と同じような楽しい気持ちで働けるかについては、実は少し不安でした。子どもが生まれて、仕事なんてどうでもよくなってしまったらどうしよう、なんて思っていました。しかしそんな気持ちにはならず、むしろ出産前よりも幸せな気持ちになることが多いことには自分でも驚いています。家庭があって、かわいい子どももいて、その上仕事も充実できたときは、なんて自分は恵まれているのだろうと、ありがたく感じます。

周りの協力を得て社内制度を利用しつつ少しずつステップアップ

―子育てと仕事を両立する上で、利用した社内制度はありますか?

復帰後2ヶ月間は身体を慣らすために時短勤務を利用しました。その後、フルタイムに戻ったら、もっとバタバタして疲弊するのかと思っていましたが、在宅勤務体制が整っているおかげで、在宅勤務の日には通勤時間を家事や育児に割くことができ、時間的なゆとりも多少持つことができています。また、当社には、通常の有給休暇とは別に、自身の体調不良や、家族の介護や看護のために割り当てられるセルフマネジメント休暇制度があります。子どもが体調を崩して急に休まなければならなくなったときに利用できるので、とても助かっています。

―子育てをしながらキャリアを築いていく秘訣を教えてください。

やはり家族の協力なしには難しいと思います。私の場合、夫が私の仕事のことも自分と同じように大切だと思ってくれていて、家事や子育てについても、母親や女性だけがやるべきことだとは思っていないので、主体的に取り組んでくれて助かっています。夫は当社の研究所に勤務しているのですが、周りの社員もそういう人が多いので、良い影響を受けているのかもしれません。今後は、海外出張もあるでしょうし、休めない仕事がある日に子どもが体調を崩すこともあるかもしれません。そんなときは、夫や家族、会社の協力を得ながら乗り切っていきたいと思います。

―最後に、今後のキャリアビジョンについて教えてください。

今の仕事をもっと極めていきたいと思っています。ただ、最も面白い仕事の中には、ものすごく時間を要したり、緊急対応を求められたりするものもあることを、これまでの経験から理解しています。今は子育てが忙しくて、仕事にすべての時間を割くことはできません。そういう意味では、どうしても子育てとの両立はしづらい仕事もあるのかなと思います。すぐには無理でも、いつかそういった仕事も担当できるよう、自分のレベルを上げていきたいと思っています。提携の力によって初めて、価値ある薬が患者さんのもとに届けられることは往々にしてあると思います。事業開発部の仕事を通じて、患者さんやご家族の人生を変えられるような医薬品を届けるお手伝いができたらと思います。

編集後記

職場や家族の協力を得ながら、異動、結婚、出産、昇格、育児と、ステージを増やし、歩んできた木村。プランどおりに着実に人生を歩んできたのかと思えば、意外にも仕事で実現したいことを最優先にして、就職、異動、そしてキャリアを積み、自身が良いと思うタイミングで結婚、出産を選択していました。つねに自身のやりたいことを核に持ちながらも、決して結果を急がず、長いスパンで見据え、そのときの状況に応じたフレキシブルな対応をしてきたことで、ストレスを最小限にとどめ、幸せの数を増やす結果となっていることが印象的でした。

  • 協和キリンでは、管理職従業員を「経営職」と呼称します。

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