毎日の生活の中で仕事に関係する"かゆみ"もあるかもしれません。
早期に原因を発見し、除去することで、快適な日常生活を送りましょう。
注意:例に挙げた職業の人すべてに起こることではありません。あくまでもよくみられる症例(ケース)としてご紹介しています。
原因について
乾燥が原因の場合
石鹸や消毒薬のアルコールにより皮脂が少なくなり手の水分が失われ、皮膚の表面がザラザラして乾燥します。
刺激が原因の場合
バリア機能が低下している皮膚から、消毒薬や防腐剤などの成分が皮膚の中に入り、刺激性の接触皮膚炎を起こしているかもしれません。
アレルギーが
原因の場合
ある日突然、使用している消毒薬や防腐剤にアレルギーを起こし、それ以後使用すると、非常に強いかゆみや水ぶくれなどの症状が出現します。
また、ゴム手袋に含まれるラテックスという物質へのアレルギーになると、手袋をしてすぐにかゆみやじんましんが出ます。激しい場合にはショックを起こすこともあります。
このような場合には、ある種の果物に対しても同じような反応をするので、早急に皮膚科専門のお医者さんの診療を受けてください。予防策として、プラスチック製の手袋に変更することをおすすめします。
原因について
乾燥が原因の場合
洗髪で水に触れる機会が多いため、手の皮脂が失われがちです。そのため皮膚が乾燥してバリア機能が低下している可能性があります。
刺激が原因の場合
シャンプーに含まれる界面活性剤などが皮膚に対して刺激を与える可能性があります。
アレルギーが
原因の場合
ヘアカラーなどの化学薬品を多く扱うため、ある日突然アレルギーを起こし、それ以後使用すると、非常に強いかゆみや水ぶくれなどの症状が出現します。
原因について
アレルギーが
原因の場合
草花や樹木の茎の樹液や葉などに対してアレルギーを起こす場合があります。
キク、マーガレット、ヒマワリ、ダリア、ヨモギなどのキク科の植物には注意が必要です。
サクラソウ(トキワザクラなど)やチューリップの球根が原因のこともあります。それまでなんともなかったのに、ある日から突然手指がかゆくなります。
刺激が原因の場合
植物の棘(バラ、サボテンなど)や枝の多い木などを扱っているとき、気づかないうちに手を傷つけていることがあります。それらの傷口を介して、刺激性の皮膚炎が起こることがあります。
原因について
乾燥が原因の場合
水や湯を使った家事が多いと、皮脂が水に溶け出て手の乾燥が進みがちです。
台所用洗剤や洗濯用洗剤の使用は症状をさらに増悪させます。
刺激が原因の場合
洗剤に含まれる界面活性剤や防腐剤、消毒薬が、バリア機能の低下した皮膚から浸入して、皮膚に刺激を与えることがあります。
アレルギーが
原因の場合
洗剤、野菜、果物など、家事で触れる物質に対するアレルギーも少なくありません。
また、お肌の手入れで使用する化粧水やハンドクリームなどに対してアレルギーを起こす場合もあります。
原因について
乾燥が原因の場合
介護施設では、掃除、食事の準備と片付け、お風呂の介助や体拭きなど、水を使った業務が多く、手が乾燥しやすい環境にあります。
そのため、手のバリア機能が低下している可能性があります。
刺激が原因の場合
洗剤に含まれる界面活性剤や消毒薬が、バリア機能の低下した皮膚から浸入して、皮膚に刺激を与えることがあります。
アレルギーが
原因の場合
仕事で使用する洗剤や消毒薬、皮膚の乾燥を防ぐために使用しているハンドクリームなどに対してアレルギーとなり、ある日から突然かゆくなり、水ぶくれを生じることがあります。
その他の原因の
可能性
夏を過ぎて、徐々に悪化するかゆみがある場合は『疥癬』が原因の場合があります。
高齢者の方に多い疾患であり、高齢者との接触の機会が多い介護施設の職員の方にも感染することがあります。
指間、手首、腹部、わきの下などにかゆみの強い丘疹(赤いブツブツ)ができます。皮膚科を受診して適切な治療を受ける必要があります。
原因について
アレルギーが
原因の場合
メッキ用の液体に含まれるコバルト、ニッケル、クロムや銅などの金属がアレルギーの原因となることがあります。
初めは原因物質に接触している部分だけに症状が出ます。金属が吸収された結果、全身に症状が現れることもあります。皮膚科専門のお医者さんの診療を受け、早急に原因を追究する必要があります。
原因について
アレルギーが
原因の場合
太陽の光にあたることでアレルギーを生じているかもしれません。
その場合、普通の人にとって、問題のない程度の太陽光や紫外線(光線)にあたっても、かゆみを伴う湿疹やじんましん症状が出ることがあります。内服している薬やかゆみ止めクリームなどが原因になっている可能性もありますので、皮膚科専門のお医者さんに検査をしてもらいましょう。
また、なるべく日光にあたらないよう、長袖・長ズボンの着用、帽子や手袋、サングラスなどの着用が必要です。
原因について
乾燥が原因の場合
手を頻繁に洗うと、皮膚のバリア的な役割を果たしている良い脂(皮脂)まで落としてしまうことになります。
また、手を洗うとき、強くこすることや石鹸を使うことも手を傷つける原因のひとつです。そのために手が乾燥し、逆に刺激となる物質などの侵入を許す結果になってしまいます。手は汚れない限り、何度も洗う必要はありません。
最初は、少し抵抗があるかもしれませんが、少しずつ手を洗う回数を減らしていきましょう。
刺激が原因の場合
水だけでは洗った気がせず、石鹸や消毒薬を過剰に使用してしまうこともあるかもしれません。バリア機能が低下した肌には、刺激となって手荒れの原因となることもあるので、石鹸の使いすぎも注意しましょう
皮膚炎における治療において、まず原則は原因を排除することです。
そのためには、原因物質を突き止めることが何よりも重要です。おかしいなと思ったら、まずは皮膚科を受診し正しい診断を受けましょう。
乾燥に対しては、バリア機能を維持するために保湿剤や保護剤でケアをしましょう。皮脂が減少する原因となる水、湯、洗剤に直接触れないように手袋をしましょう。
刺激が原因で生じた皮膚炎の場合には、刺激の原因となった物質に触る機会をできるだけ少なくします。
可能であれば、使用濃度を下げる、直接触らないよう手袋を使用することが効果的です。バリア機能改善には保湿剤を、皮膚の炎症に対する治療にはステロイド外用薬が用いられます。
かゆみがひどい場合には、抗ヒスタミン薬などの内服薬の併用が効果的です。
アレルギーが原因で生じた皮膚炎の場合には、まず、かぶれの原因となった物質の使用をやめます。
治療としてはステロイド外用薬が用いられます。かゆみがひどい場合には、抗ヒスタミン薬などの内服薬の併用が効果的です。
原因となった物質に再び触らなければ、症状が再び出現することはありません。
(1) 掌蹠膿疱症手のひらや指先に小さな膿疱が多発します。
ステロイド外用薬やビタミンD
3ビタミン軟膏が治療に用いられます。
かゆみがひどい場合には
抗ヒスタミン薬の内服が効果的です。
(2) 異汗性湿疹(汗疱)手のひら、指の間に小さな水泡が多発したり、指先の皮膚が剥けたりします。初夏と晩秋などの発症時期に特徴があります。治療は
ステロイド外用薬や尿素軟膏が用いられます。
(3) 慢性湿疹手のひらや手指の特定の部位が繰り返しかゆくなり、結果的に皮膚が厚く硬くなります。不眠などが背景になっていることがあります。治療は
ステロイド外用薬と
抗ヒスタミン薬の内服がすすめられます。
感染防止のため毎日消毒薬で手の除菌に努めていますが、手荒れがひどくなってきました。
また、ゴム手袋をして業務にあたることもありますが、手袋をすると急にかゆみが増します。