アトピー性皮膚炎は、乳幼児期および学童期に発症することが多い疾患です。また、年齢による皮膚機能の変化や、生活環境の変化が症状にも影響します。ここでは、年齢によって変化する特徴的な症状についてご紹介します。
年齢によって変化する症状
頭や顔を中心に、赤くジクジクした湿疹がみられます。特に、離乳期には口のまわりや頬によくみられます。
幼児期・学童期では、全身のさまざまな症状がみられます。
顔では"はたけ"(単純性粃糠疹[たんじゅんせいひこうしん])として観察されます。他の部分より新陳代謝が速いため、まわりに比べて日焼けの色が速く落ちます。皮膚の表面はカサカサです。
手足を曲げる部分(関節の内側部分)や首まわりに症状が出ます。症例写真では、膝の後ろに赤みやブツブツ、引っ掻き傷が認められます。皮膚が乾燥し、新陳代謝が速いので、白い粉状のアカ(鱗屑[りんせつ])を伴います。
"耳切れ"といって耳の付け根が切れたようになることもあります。
腕や体の毛穴の部分では小さなブツブツが盛り上がり、鳥肌のようにみえます。
魚鱗癬(ぎょりんせん)といって、魚のうろこを敷き詰めたような症状がみられることもあります。
※症例写真すべて無断転載禁止
はたけ(単純性粃糠疹)
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顔では"はたけ"(単純性粃糠疹[たんじゅんせいひこうしん])として観察されます。他の部分より新陳代謝が速いため、まわりに比べて日焼けの色が速く落ちます。皮膚の表面はカサカサです。
耳切れ
※無断転載禁止
"耳切れ"といって耳の付け根が切れたようになることもあります。
腕や体の毛穴の部分では小さなブツブツが盛り上がり、鳥肌のようにみえます。
鱗屑
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手足を曲げる部分(関節の内側部分)や首まわりに症状が出ます。症例写真では、膝の後ろに赤みやブツブツ、引っ掻き傷が認められます。皮膚が乾燥し、新陳代謝が速いので、白い粉状のアカ(鱗屑[りんせつ])を伴います。
魚鱗屑
※無断転載禁止
魚鱗癬(ぎょりんせん)といって、魚のうろこを敷き詰めたような症状がみられることもあります。
適切な治療を行うことで、子どもに快適な日常生活を
主な治療としては、外用薬での皮膚炎の治療、内服薬によるかゆみの軽減、保湿剤による皮膚バリアの回復です。
大人と同じで、すべて大切な治療です。少し大変かもしれませんが、適切な治療を行うことで、アトピー性皮膚炎の子どもも、健康なお友達と一緒に快適な日常生活を送ることができるようになります。
症状をしっかり抑えて、子どもの集中力、活動性を高めてあげてください。
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎について
食物に対するアレルギーが原因で、アトピー性皮膚炎になると誤解されている方が多くいらっしゃいます。乳児期では、食物アレルギーによりかゆみが出現し発疹も悪化することがありますが、1歳を超えると徐々にその頻度は少なくなります。
また、幼児期からは環境要因の影響が高まってきます。安易な食事制限は子どもの成長に悪影響を与えますので、食事制限を含め、治療にあたっては必ず専門のお医者さんと相談し、指示に従ってください。