子どもの皮膚はとてもデリケート。大切な子どもの皮膚トラブルに、どう対処したらいいのか。そんな保護者の方の疑問について、専門のお医者さんからのアドバイスをご紹介します。
アトピー性皮膚炎で外用薬を塗っているのに、なかなか良くなりません・・・
アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患です。
肌が乾燥する冬、発汗の多い夏、季節の変わり目に風邪をひいたときなどに発疹が急に悪化します。
このようなときは、やや強めの
ステロイド外用薬を十分量塗りましょう。薬を塗っているのに良くならないときは、塗る量が少なすぎる、または薬自体の効果が十分でない場合が考えられます。漫然と使うのではなくメリハリをつけて使うようにしましょう。
また、薬を塗っているだけで、その他のかゆみ対策や生活指導、スキンケアが不十分な場合もあります。アトピー性皮膚炎では症状の悪化に総合的に対処することが大切です。アトピー性皮膚炎では継続的な治療が重要です。症状が良くなっても、ある程度の期間は定期的に医療機関を受診して経過を観察することをおすすめします。
アトピー性皮膚炎の場合、体をこまめにしっかり洗った方が良いのでしょうか?
子どもは動き回ってよく汗をかきますが、汗がかゆみや皮膚炎を悪化させることがあります。
また、体温が上昇するとかゆみを強く感じます。そのため、皮膚を清潔に保つことは非常に重要です。
しかし、学童期のアトピー性皮膚炎の肌は乾燥していますので、石鹸による過剰な洗浄は皮膚の表面を覆っている脂分(皮脂)まで洗い流してしまい、かえって皮膚のバリア機能を低下させてしまいます。汗をかいたときなどは、軽くシャワーで流すぐらいにし、石鹸を使って洗うのは多くても1日1回程度にしましょう。
また、シャワー・お風呂の後の保湿は必ず行いましょう。
子どもに湿疹が!小児科と皮膚科のどちらに行けば良いのですか?
あくまで目安ですが、"熱"があるようなら小児科へ、熱がないようであれば皮膚科をまず受診してみてください。
全身に症状がある場合など、救急対応が必要な場合もありますので子どもの状態を注意深く観察してください。
子どもがアトピー性皮膚炎です。このまま治らないのでしょうか?心配です。
皮膚科専門のお医者さんのもとで適切な治療を行えば、年齢に従って症状が軽くなる人が多いです。
お医者さんとしっかり相談しながら、治療をしていきましょう。
子どもにステロイド外用薬を長期間塗ることが怖いのですが・・・
皮膚科専門のお医者さんの指導のもと、適切な量を適切な期間塗れば、ステロイド外用薬は子どもにも安全に使用できる薬です。皮膚の炎症を抑えるには、ステロイド外用薬は基本の薬です。
ステロイド治療が必要な子どもに、不適切な治療が行われると症状が悪化し、強いステロイド外用薬による長い治療や、ステロイドの内服も必要になる場合も出てきます。お医者さんと相談してしっかりと治療を行いましょう。