健康経営の取り組み

方針・戦略

2015年5月に経営トップによる健康宣言を発信し、会社と健康保険組合の協働(コラボヘルス)による「協和キリングループ Wellness Action 2020」を開始、現在は「協和キリングループ Wellness Action 2025」に取り組んでいます。
協和キリングループの従業員とその周囲の方が、自分ごととしてワクワク感を持ってWellness Action(行動変容)に取り組むことにより、自らの健康リスクの低減や豊かな人生の実現に加え、会社、社会に貢献していきます。

協和キリングループ健康宣言

協和キリングループは、従業員の生涯を通じたQuality of Life(生活の質)の向上を図るため、協和キリングループ健康宣言を行います。

健康づくりに各自が主体的に努力することに加えて、当社グループとして、予防的視点からより高い次元の健康を目指して積極的に健康づくりに取り組みます。

従業員一人ひとりの健康づくり行動を促進する「動機付け」と、健康づくり行動を実践していくための「継続支援」の施策を推進していきます。

ガバナンス

協和キリン人事担当役員を健康経営推進の責任者とし、各事業場代表によるコラボヘルス推進委員会とコラボヘルス推進担当者会議を運営主体としています。コラボヘルス推進委員及び推進担当者は、産業医、保健師、安全衛生担当部門と連携し、各拠点の特性に合った施策の実施に努めています。
取組の進捗状況は、経営幹部が出席する経営戦略会議やグループCSR委員会にて、議論・モニタリングを行っています。

指標および目標

日本 協和キリングループ Wellness Action 2025

[目的]従業員とその周囲の方:・心身の健康リスクの低減・豊かな人生の実現 社会:・社会課題※への対応 ※医療費増加、肥満、活動量不足、偏食など・Wellness Action推進による社外への好影響 会社:・1人ひとりのパフォーマンス向上による企業価値向上・Wellness Actionを通して壁を乗り越える企業文化醸成 [ありたい姿勢]従業員とその周囲の方が、Wellness Actionを自分ごととして、ワクワク感を持って取り組んでいる 活力スコア向上 [社員の活性化]活躍する社員比率の向上 2025年目標 2020年度結果を上回る [健康に対する行動変容_重点目標_キリングループCSVコミットメント]プレゼンティーズム改善 適正体重維持者率向上 飲酒:AUDIT8点未満の割合向上 [健康に対する行動変容_重点目標_Wellness Action 2025 GOALS]運動:ウォーキングキャンペーン時の平均歩数5,000歩かつ参加率:80%以上 食事:1年のうち2週間継続して食事記録した者の割合80% 睡眠:自身に適した睡眠習慣を知った者の割合80% 休暇:平均休暇取得日数16日以上 喫煙率5%以下維持 定期健康診断受診率100% 健康診断事後措置ガイドライン厳守(協和キリン社) 全事業場のストレスチェック集団分析 [協和キリングループ人材マネジメント基本方針]社員 自律し、変革に挑む 個を活かし、共創を促す 会社 [取組体制]コラボヘルス 健康保険組合 [協和キリングループ経営理念・ビジョン、価値観、行動規範]

Wellness Action 2025進捗状況(協和キリン単社)

全社および事業場毎の進捗をモニタリングするとともに、経営層との課題共有機会を設け、取組の評価・改善に努めています。

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2021年度 2022年 2023年
健康関連の最終的な目標 活力スコア 「私は、自身を含む職場のメンバーやその周囲の方の健康と豊かさについて、自分ごととしてとらえ、お互いに働きかけ合い、楽しんで取り組んでいる」の肯定回答率(Wellness Actionに関する調査) 62% 71% 77%
プレゼンティーズム 過去4週間における総合的なパフォーマンスをあなたはどのように評価しますか?
(WHO-HPQによる絶対的プレゼンティーズム)
61.98 62.76 63.91
ワーク・エンゲイジメント いきいき度(ストレスチェックの該当項目回答率より算出) 121 123 126
健康リスク 定期健康診断の結果に基づく、適正体重維持者の割合 66.9% 67.2% 70.2%
アブセンティーズム 傷病による欠勤・休職および退職者の割合 1.3% 1.6% 集計中
従業員の意識変容・行動変容に関する指標 運動 ウォーキングキャンペーンの参加率および平均歩数 参加率
75.4%
平均歩数
5,056歩
参加率
76.8%
平均歩数
5,265歩
参加率
86.2%
平均歩数
5,885歩
休暇 年間を通じた休暇の平均取得日数 17.2日 18.0日 18.3日
喫煙 禁煙者の割合 4.3% 4.0% 3.7%
適正飲酒 非飲酒群、危険の少ない飲酒群(AUDIT8点未満)の者の割合 81% 80.5% 79.2%
健康投資施策の取組状況に関する指標 定期健康診断受診率 定期健康診断の受診率 99.9% 100% 100%
二次健診受診率 当社健康診断事後措置ガイドラインに基づく、事後措置レベル3該当者のうち、産業医が医療機関受診不要と判断した者を除いた二次健診(精密検査、再検査)受診率 90% 100% 集計中
産業医面談 当社健康診断事後措置ガイドラインに基づく、事後措置レベル3該当者の産業医面談実施率 100% 100% 100%
メンタルヘルス ストレスチェック受検率 97.6% 97.8% 97.2%

具体的な取り組み

健康増進や疾病予防対策等のグループ共通施策他、事業場独自施策も積極的に実施しています。
健康保険組合は、毎年「健康白書」を発行して年代別の疾病傾向や生活習慣の実態等を紹介し、自社の健康課題の可視化と健康意識の醸成を図っています。

グループ共通施策

  • ウォーキングキャンペーン、SmileWalk(社会貢献企画)

    21年から開始した本企画は、事業場対抗や年代別対抗など、遊び心を交えた企画を展開することで、参加率、平均歩数が増加しました。23年は、「仲間と楽しみながら取り組む“健康づくり”が、“より良い社会づくり”にも繋がる」というコンセプトで、参加率や歩数に応じて寄付を行う従業員参加型の社会貢献企画「Smile Walk」を実施し、社会・医療・次世代をテーマに活動を行う3団体に寄付活動を実施しました。

    【Smile Walk結果報告】 ウォーキングキャンペーン、Smile Walkが無事終了しました。 国内全事業場から計3756人の従業員が参加し、 大いに盛り上がりました!ツイートにたくさんの「いいね」ありがとうございました。 当社は健康経営を実践し、今後も社会貢献に取り組んでまいります
  • 定期健康診断における法定を上回る検査項目の追加(生化学検査、がん検診等)
  • 高リスク者重症化予防事業
  • 健康に関する各種講演会の開催
  • 産業医、外部委託等によるメンタルヘルス相談体制の整備・研修の実施
  • 社内SNSによる双方向コミュニケーション
  • スポーツクラブの優待利用
  • 禁煙外来・補助薬の費用補助
  • 疾病予防に関する費用の補助(人間ドック、インフルエンザ予防接種、ピロリ菌除菌他)
  • 就労継続支援(がん治療と仕事の両立支援(協和キリンのみ)、傷病による長期休務からの復職支援)
  • 「健康白書」の発行
  • 社員食堂でのヘルシーメニュー、ゼロ円サラダの提供
  • 睡眠セミナー
  • 働く女性と健康
    従業員の提案により不妊治療や生理をテーマにした経営陣との対話会を開催。「働き方と生理」について取り上げた対話機会には、男女あわせて約60名の従業員が参加しました。

自社を超えた取り組み

  • 協和キリングループWellness Action 2025に基づく敷地内禁煙を、工場へご来場されるお客様にもご案内している。
  • サプライチェーンのお取引先に向けた説明会で、弊社健康経営についてご紹介している。
  • 経営トップのリーダーシップのもと、社員の健康増進に積極的に取り組む企業の会「Kenko企業会」に設立メンバーとして2015年より参画。”禁煙分科会””データヘルス分科会”等を通じて、他社との勉強会や自社ノウハウの提供を定期的に実施している。

取り組みの評価・改善

各取り組みについて、経営戦略会議等にて、定量と定性の両面から確認し評価を行っています。
健康への取組みを通して、健康上のリスクの最小化と前向きで活力のある職場づくりを推進し、経営課題の解決を目指します。

健康投資と想定効果

禁煙の取組み当初の課題

経営理念に「世界の人々の健康と豊かさに貢献」を掲げ、医薬事業に取り組む企業でありながら、全国成人喫煙率(男女計)と比較すると従業員の喫煙率が高い
→従業員やご家族が健康で豊かで笑顔であることが、経営理念の実現にも繋がるため、従業員の禁煙に取り組む

協和キリン社の禁煙の取組みにおける良い点(定性評価)

  • 非喫煙者を含む従業員1人ひとりの「自分ごと」化と挑戦
  • 経営層、事業場長、および、事業場人事の継続的支援
  • 喫煙に関するルールの段階的設定(禁煙の日 → 就業時間内禁煙 → 就業時間内禁煙+敷地内禁煙)
  • 定期的な喫煙状況の確認と進捗共有
  • 健康保険組合との連携 (従業員コミュニケーションは事業主、禁煙補助事業は健康保険組合)
[健康投資]時間をかけ、従業員へ会社の本気度を説明 [健康投資施策の取組状況に関する指標]喫煙者の禁煙宣言提出率 [従業員の意識変容・行動に関する指標]喫煙者比率 [健康関連の最終的な目標指標]禁煙による生産性向上 [健康経営で解決したい経営課題]従業員の健康と安全 企業文化の改革(壁を乗り越え、やり切る) [健康投資]主な投資:従業員への説明や応対(約5,000千円) [健康投資施策の取組状況に関する指標]2020年目標:100% 2020年8月実績:79.5% [従業員の意識変容・行動に関する指標]2025年目標:5%以下維持 2023年3月実績:3.7% [健康関連の最終的な目標指標]主な想定効果:非喫煙者含む罹患率減少、労働生産性向上など(約304,150千円)
当社の喫煙率 2017年:21.2% 2018年:18.0% 2019年:12.2% 2020年:4.4% 2021年5月:4.7% 2022年5月:4.0%:4.7% 2023年3月:3.7%
禁煙施策の投資に対する想定効果 投資:5百万円 想定効果:304百万円

投資により生ずる想定効果の考え方は、以下に基づきます。

想定効果の算出式: 1×(2-3)

  1. 年間企業コスト:553,000円 (参考:シアトル大学 ワイス博士 1981)
  2. 当社における2017年の喫煙者数:692人 (定期健康診断問診票より)
  3. 当社における2023年3月の喫煙者数:142人(定期アンケートより)

運動に関する課題

  • コロナ禍での意図的な運動機会創出や、健康に対する行動変容を日常化させる必要があった。
    → Wellness Action2025では、「ウォーキングキャンペーン参加率」や「平均歩数」といった具体的かつわかりやすく取り組みやすい目標を、従業員全員が自分ごととして取り組めば達成できる水準で設定した。

協和キリン社の運動の取組みにおける良い点(定性評価)

  • 生活習慣に関する実績を振り返り、従業員にとってわかりやすい目標に変更したことで、行動変容に繋がった。
  • 各事業場の良好事例を共有しながら取り組むことで、場所の壁を超え、全事業場における取組みの活性化に繋がった。
  • 健康保険組合と連携を取りながら開催している。(従業員コミュニケーションは事業主、アプリ運用は健康保険組合)
  • 役員が率先して取り組むことにより会社の本気度が従業員に伝わった。(役員参加率は100%、平均歩数は7,737歩)
  • 遊び心を持たせたすごろくを、社内報でタイムリーに発表することで、「可視化」した結果が広く浸透されている。
  • 社会貢献型企画で「より良い社会づくりにも繋がる」ことが、行動変容への更なるモチベ―ションに繋がった。
健康投資:ウォーキングキャンペーンの実施 主な投資:従業者への説明や応対(約2,200千円)健康投資施策の取組状況に関する指標:ウォーキングキャンペーンの参加率向上 2025年目標:80% 2023年6月実績:85.4%従業員の意識変容・行動に関する指標:ウォーキングキャンペーンへの平均歩数向上 2025年目標:平均歩数5,000歩 2023年6月実績:平均歩数5,688歩健康関連の最終的な目標指標:出勤時のパフォーマンス向上(絶対的プレゼンティーズム)  適正体重維持者率の向上(健康リスク)活力スコアの向上(ワクワク感のあるWellness Action) 健康経営で解決したい経営課題:従業員の健康と安全 企業文化の改革(壁を乗り越え、やり切る)
ウォーキングキャンペーン参加率推移 2019年:20.0% 2020年:40.7% 2021年6月:75.4% 2022年6月:76.8% 2023年6月:85.4%
ウォーキングキャンペーン平均歩数推移(1人1日あたり) 0歩以上-4,000歩未満→2021年6月:45% 2023年6月:35% 4,000歩以上-4,500歩未満→2021年6月:6% 2023年6月:6% 4,500歩以上-5,000歩未満→2021年6月:5% 2023年6月:6% 5,000歩以上→2021年6月:44% 2023年6月:53%

外部評価

経済産業省が実施する「健康経営度調査」において、所定の基準を満たしたことから、「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」に認定され、制度開始以降8年連続で認定を受けています。

2024 健康経営優良法人 Health and productivity ホワイト500
  1. 健康経営優良法人制度は、健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目的として、2017年から認定が開始されました。
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