そして、ヒノキ科花粉の飛散がはじまり、5月末頃まで続きます。くしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみ・異物感などの症状は、花粉の飛散量に比例して悪化する傾向にあります。
花粉症といえば、今や国民病といわれていますが、意外なことに花粉症は戦後に初めて報告された新しい病気です。日本では、1960年代からわずか40年間で花粉症(特にスギ花粉症)が激増しました。
●理由その1:スギ花粉の増加
戦後に大量植林されたスギが伐採されずに残り、開花適齢期を迎えています。さらに、地球温暖化の影響も受け、春のスギ花粉飛散量が増えています。
●理由その2:排気ガス・大気汚染
排気ガスなどで汚染された大気中の多くの微粒子が抗体を産生しやすくし、花粉症の発症を促進します。また、舗装道路の増加に伴い一度地面に落ちた花粉が再び舞い散ることも原因として考えられます。
●理由その3:食環境の変化・不規則な生活リズム
高タンパクや高脂肪の食生活を続けていたり、不規則な生活リズムやストレスの多い生活なども、アレルギーを起こしやすくしています。
●理由その4:住宅環境の変化
住宅やオフィスの近代化に伴い、通気性の少ないダニ・カビの温床をつくり、アレルギーを起こしやすくしています。
花粉症シーズンの「症状」と「日常生活の支障」
花粉症シーズンは症状がつらいけれども、忙しくてなかなか病院には行けないという患者さんもいらっしゃるでしょう。しかし、つらい症状は集中力を低下させるなど、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。
アンケート結果によると、治療を受ける前の多くの患者さんは、勉強・仕事・家事に支障を感じており、気分が晴れなかったりしていることがわかります。
しっかり症状を抑えて、日常生活の支障が軽くなるようにしましょう。
QOLとは:
クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)の略で、人がどれだけ人間らしい望み通りの生活を送れているかという生活の質のことを指します。
2003年にアレルギー性鼻炎患者1688名を対象として治療前に実施したQOLアンケート調査結果
アレルギー・免疫11(1):100-115, 2004より許可を得て転載