鼻の治療
鼻の症状を軽くするためには、大きく分けて薬物療法・アレルゲン免疫療法・手術療法の3つがあります。きちんと治療法を知り、対処していくことが大切です。また、花粉飛散開始前から治療をはじめる初期療法についても知っておきましょう。
薬物療法
「初期療法」で楽に乗りきりましょう
花粉症などのアレルギーは、症状が悪化すると薬が効きづらくなります。しかし、軽いうちに薬を使いはじめると、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすく、そのシーズンの症状を軽くすることができます。そこで、花粉の飛びはじめる前あるいは症状が軽いときから薬の使用をはじめる『初期療法』という治療方法があります。特に、毎年の症状が中等症以上になる方で、楽にシーズンを乗りきりたいと考えている方におすすめです。
初期療法の開始時期は、使用する薬の効果が現れるまでの時間と、患者さんの例年の飛散花粉に対する過敏性を考慮して判断します。第2世代抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬は花粉飛散予測日または症状が少しでも現れた時点で治療を開始します。
初期療法で期待できること
● 症状の出現を遅らせること。
● 飛散量の多い時期の症状を軽くすること。
● 症状の出現を遅らせること。
● 飛散量の多い時期の症状を軽くすること。
「導入療法」で強い症状をやわらげましょう
『導入療法』は、症状が強くなってしまってからはじめる治療です。
経口ステロイド薬の一時的(1週間以内)な服用や、鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)なども必要となります。
経口ステロイド薬の一時的(1週間以内)な服用や、鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)なども必要となります。
「維持療法」で症状が軽くなっても薬の服用は続けましょう
『維持療法』は、初期療法や導入療法で症状が抑えられた状態を保つための治療です。
第2世代抗ヒスタミン薬や、症状が重い場合には鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)を使います。花粉の飛散中は治療の継続をおすすめします。
第2世代抗ヒスタミン薬や、症状が重い場合には鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)を使います。花粉の飛散中は治療の継続をおすすめします。
主な治療薬
花粉症に効く薬は、時期と症状によって異なります。初期療法には、主に第2世代抗ヒスタミン薬などの経口薬が用いられ、症状が重い場合には鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)やロイコトリエン拮抗薬などが併用されます。 (一部の薬は、ドラッグストアなどでは手に入れることができず、お医者さんの処方によってしか入手することができません。)
毎年の症状の出方、治療の希望、現在の症状の程度をしっかり把握し、お医者さんと一緒に自分に合った治療薬をみつけましょう。
毎年の症状の出方、治療の希望、現在の症状の程度をしっかり把握し、お医者さんと一緒に自分に合った治療薬をみつけましょう。
薬の名前 | 剤型 |
---|---|
経口薬(飲み薬)、点鼻薬[鼻噴霧用]、点眼薬、貼付剤(貼り薬) | |
経口薬(飲み薬)、点鼻薬[鼻噴霧用]、点眼薬 | |
経口薬(飲み薬) | |
経口薬(飲み薬) | |
経口薬(飲み薬) | |
点鼻薬[鼻噴霧用] | |
経口薬(飲み薬)、点鼻薬[鼻噴霧用]、点眼薬 | |
注射 | |
経口薬(飲み薬) |
アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法は、花粉症の原因となっている抗原を少しずつ量を増やしながら体内に吸収させることで、抗原に対する反応を弱めていく方法です。抗原を注射する皮下免疫療法や舌の下の粘膜から抗原を吸収させる舌下免疫療法などがあります。2〜3年という長い期間の治療が必要となりますが、唯一、アレルギーを治す可能性のある治療法であり、皮下免疫療法では約70%*に有効と考えられています。ショックなどの副作用がごく稀にありますので、治療にあたってはお医者さんとよく相談しましょう。
*出典:鼻アレルギー診療ガイドラインー通年性鼻炎と花粉症ー 2020年版(改訂第9版):P60, 2020 より(一部改変)
近年、関心が高まる「舌下免疫療法」をご紹介します。
手術療法
手術療法は、主に鼻づまりの症状が強い患者さんに対して行われます。
鼻の粘膜(下鼻甲介)を切除して小さくする手術で、最近では、レーザー手術など、入院をせず外来で行える方法が普及してきました。また、鼻水を分泌する腺を刺激する神経を切って鼻水を止めるという手術もあります。
鼻づまりだけでなく、くしゃみ、鼻水の症状にも適応が広がりましたが、再発もみられます。
鼻の粘膜(下鼻甲介)を切除して小さくする手術で、最近では、レーザー手術など、入院をせず外来で行える方法が普及してきました。また、鼻水を分泌する腺を刺激する神経を切って鼻水を止めるという手術もあります。
鼻づまりだけでなく、くしゃみ、鼻水の症状にも適応が広がりましたが、再発もみられます。
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