免疫について
免疫とは
約30兆個*もの細胞から構成されている私たちの体は、有害な細菌やウィルスなど、さまざまな外敵の侵入のリスクに常にさらされています。免疫とは、異物の侵入を防いだり、侵入してしまった異物を感知して体から排除する生体防御の働きのことです。その語源はラテン語のimmunitus(免税、免除)や immunis(役務、課税を免れる)といわれ、疫病(感染症)を免れるという意味で「免疫」という言葉が使われるようになりました。
免疫は、大きく「自然免疫」と「獲得免疫」に分類されます。
自然免疫
私たちが生まれつき備えている免疫で、好中球やマクロファージ、樹状細胞などの食細胞(細菌などを食べる細胞)やNK細胞が担っています。これらの細胞には、自己と非自己を選別する受容体が備わっており、体内に侵入してきた細菌やウィルス(病原体)を攻撃します。
獲得免疫
一度侵入した細菌やウィルスを記憶し、次に同じ病原体が侵入した時に反応して攻撃する仕組みで、自然免疫からの異物情報を得て働きます。T細胞が主役の細胞性免疫と、B細胞が主役となる液性免疫の2種類があり、液性免疫では、抗体が中心となってがん細胞やウィルスなどの標的細胞を排除します。この働きを応用してさまざまな抗体を作り出し、病気の治療に役立てるのが抗体医薬品です。