抗体の多様性
多種多様な抗体をつくり出し、あらゆる抗原に対応
私たちの体は、細菌やウィルスなどのさまざまな病原体に対応するため、特定の抗原に結合することのできる多種多様な抗体を作り出します。これを、抗体の「多様性」と呼びます。
抗体の多様性は、H鎖可変部とL鎖可変部の組み合わせによって生まれます。
その種類は、H鎖 10,530種×L鎖 200種 = 2,106,000種類にも及び、さらに、変異など多様性を生む別の機構もあるため、事実上ほとんどの抗原と結合できる抗体を産生することが可能となるのです。
可変部の遺伝子を組み換え、多様な抗体をつくる
抗体の多様性は、次のような遺伝子再構成という仕組みで決定されます。
抗体のH鎖可変部の遺伝子は、V、D、Jの3種の遺伝子部分に、また、L鎖可変部の遺伝子は、V、Jの2種の遺伝子部分に分かれています。これらは、それぞれ複数の遺伝子断片から1種類が選ばれて組み立てられます。
このように、H鎖可変部とL鎖可変部の遺伝子断片が組み合わされることで、多様な抗体がつくられるのです。