特発性血小板減少性紫斑病(ITP*)は血小板が減少し、その結果として出血の危険が高まる病気で、国が指定する難病の対象になっています。
慢性に経過する病気の性格上、治療の目標は出血を防ぐことです。
血小板数が5万/μL以上であれば通常は出血の危険はほとんどありませんので、定期的に血小板数と出血症状をみながら経過を観察します。
*ITP=Idiopathic Thrombocytopenic Purpura、又はImmune Thrombocytopeniaの略
特発性血小板減少性紫斑病とは
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明らかな基礎疾患や原因薬剤の関与がなく血小板の数が減少し、出血症状をひき起こす病気です。
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血小板以外の赤血球や白血球には、異常はみられません。
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6ヶ月以内に治癒する「急性型」と、6ヶ月以上続く「慢性型」に分類されます。
特発性血小板減少性紫斑病 「急性型」と「慢性型」の特徴
急性型 | 慢性型 | |
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好発年齢 | 2〜5歳 | 20〜40歳 |
男女比 | 1:1 | 1:2〜4 |
発症 | 急性の発症 | 発症時期はしばしば不明 |
先行感染 | ウイルス感染、予防接種 | なし |
出血症状 | 強い | 無症状の場合もある |
経過 | 6ヶ月以内に治癒 | 6ヶ月以上慢性に経過する |
内科 102(6):1418-1423, 2008より作成
なぜ血小板が減少するの?
何らかの原因で血小板膜上の糖蛋白に対する自己抗体(自分自身の血小板を破壊する抗体:血小板抗体)が産生され、血液中で血小板に結合します。この血小板抗体が結合した血小板は脾臓などに取り込まれ、マクロファージという細胞に貪食・破壊され、血小板が少なくなる現象が起こります。
また、最近では、この血小板抗体は骨髄での血小板産生能も障害し、血小板産生を低下させるといわれています。
なぜ「自己抗体」ができるのかについては、はっきりしたことはわかっていないのが現状です。