メタボリックシンドロームと慢性腎臓病(CKD)
生活習慣病として、近年何かと話題になっているメタボリックシンドローム。
実は、メタボリックシンドロームは慢性腎臓病(CKD)の危険因子です。
メタボリックシンドロームの症状である「糖尿病」、「高血圧症」、「脂質異常症」は腎臓の働きを低下させる要因です。つまり、メタボリックシンドロームの人は慢性腎臓病(CKD)にもなりやすいといわれています。
そもそも“メタボリックシンドローム”って?
メタボリックシンドロームとは、過食と運動不足によって内臓脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満に、糖尿病、高血圧症および脂質異常症のうち2つ以上を合併した状態をいいます。
メタボリックシンドロームと腎臓の働き
メタボリックシンドロームの諸症状は、慢性腎臓病(CKD)の発症と進行の危険因子となります。
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内臓脂肪型肥満になると、糖尿病性腎症の指標であるアルブミン尿(たんぱく尿の一種)が出やすくなることが知られています。肥満の人は糖尿病や高血圧症を合併していることも多く、体重を適正に管理することが重要です。
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実は、高血糖の状態が続く糖尿病は、透析療法にいたる原因となる病気の第1位です。糖尿病になると腎臓の尿をつくる働きが低下し、体内に余分な老廃物や水分がたまります。そのことがさらに腎臓に負担をかけることになります。
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高血圧になると腎臓の働きが悪くなり、腎臓の働きが悪くなると高血圧が悪化するという悪循環の関係にあります。そのため血圧のコントロールはきわめて重要です。
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脂質異常症は、慢性腎臓病(CKD)の発症と進行の危険因子です。また、動脈硬化は心血管病の危険因子でもあるので、コレステロール値を目標値まで下げることが重要です。
このように、メタボリックシンドロームと慢性腎臓病(CKD)は深く関連しています。メタボリックシンドロームを防ぐことは、慢性腎臓病(CKD)を防ぐことにつながります。