慢性腎臓病(CKD)って?
慢性腎臓病(CKD)があると、脳卒中や心筋梗塞などの心血管病発症リスクが高まったとの報告があります*。
また、慢性腎臓病(CKD)が進行して腎不全になると体内から老廃物を除去できなくなり、最終的には透析や腎臓移植が必要になります。
*二宮利治ら、「久山町研究からみた慢性腎臓病」、綜合臨牀 2006.4、Vol.55、No4、1248-1254より引用
腎臓は病気がある程度まで悪くなってしまうと、もとの正常な状態に回復することは難しいですが、生活習慣の改善や薬物治療により病気の進行を遅らせることが期待できます。
定期的に健康診断を受けることで、慢性腎臓病(CKD)の早期発見と予防に努めることが重要です。
末期腎不全のリスク
- ?腎不全になるとどうなってしまうのか
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腎臓が十分にその役割を果たせなくなった状態を腎不全といいます。腎不全になると食事の内容や水分などを制限する必要があります。
さらに腎臓の働きが低下すると腎臓の働きを代替する治療(透析や腎臓移植)を受ける必要性が高くなり、その場合は日常生活に大きな影響が出てきます。
- ?透析療法とは
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透析療法では腎臓の代わりに、人工的に体内の老廃物や余分な水分を取り除き、体内のイオンバランスを調整します。
透析療法には血液透析と腹膜透析の2つの種類があります。どちらを選ぶかは医師と相談のうえ症状などに応じて決定します。
どちらの方法でも腎臓の機能を完全に代替することはできないので、日常生活では食事などの注意が必要です。
- 血液透析
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週に2〜3回、1回4〜5時間かけて、身体の外に血液を取り出し、血液中の老廃物や余分な水分を取り除いたあと再び体内に戻します。
- 腹膜透析
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1日約3〜4回、お腹の中に約1.5〜2リットルの透析液を入れて、腹膜を使って老廃物や余分な水分を取り除きます。
1回あたり30分程度かかります。自宅や職場で行うことができます。
日中に仕事等で行うことが難しい場合、夜間就寝中に装置が自動的に透析液の交換を行う方法もあります。
脳卒中・心筋梗塞のリスク
慢性腎臓病(CKD)があると、脳卒中、心筋梗塞の発症率が高まったとの報告があります。
■CKDの有無別にみた心血管病の累積発症率
目的:CKD患者数の時代的変化と心血管病発症に与える影響を検討する。
対象:久山町研究の第二〜第四集団(7,799名)
方法:CKD及び危険因子の頻度、心血管病の発症を前向きに比較・検討した。
(二宮利治ら、「久山町研究からみた慢性腎臓病」、綜合臨牀 2006.4、Vol.55、No4、1248-1254より引用)