骨髄異形成症候群(MDS)の検査、診断

骨髄異形成症候群(MDS)の診断は、血液検査や骨髄検査などの結果を総合して行われます。

骨髄異形成症候群(MDS)の検査

血液検査

血液検査では、血液の中の赤血球・白血球・血小板の数が少なくなっているかどうかを確認します。また、顕微鏡検査で血球の形や芽球(がきゅう)の有無について調べます。

コラム

芽球とは

芽球とは赤血球や白血球、血小板などに分化する能力を失った異常な細胞(白血病細胞)です。MDSが進行し、骨髄中の芽球が一定の割合を超えた時点で、急性骨髄性白血病に移行したと診断されます。

出典:直江知樹 編集『白血病/骨髄異形成症候群(インフォームドコンセントのための図説シリーズ)』
医薬ジャーナル社, 2013, p.14

骨髄検査(主に骨髄穿刺こつずいせんし

骨髄検査では、骨髄中の細胞の形や芽球がどのくらいあるかなどを調べます。さらに骨髄穿刺により得られた骨髄液を利用して、染色体検査、遺伝子検査を行います。

コラム

骨髄検査の実際

骨髄検査では局所麻酔の後、専用の穿刺針を刺して骨の中の骨髄液を採取します。腸骨(ちょうこつ)と呼ばれる腰の骨の突起部(イラスト部分)に穿刺することが多く、穿刺に要する時間は10~15分程度です。骨髄液採取後は15~20分ほど安静にします。

出典:直江知樹 編集『白血病/骨髄異形成症候群(インフォームドコンセントのための図説シリーズ)』
医薬ジャーナル社, 2013, p.18-19

骨髄異形成症候群(MDS)の検査・診断・治療の流れ

血液検査や骨髄検査の結果に応じて、病型、病期が分類されて、適切な治療が開始されます。

MDSの疑い→血液検査(赤血球数、白血球数、血小板数、芽球の出現の有無 等)→骨髄検査(異常細胞の有無、芽球の割合、染色体検査、遺伝子検査 等)→MDSの確定診断→予後リスクの判定→適切な治療を開始
コラム

染色体異常と遺伝子異常

ヒトの染色体(イメージ)

染色体異常は、MDS患者さんの約半数にみられます。また、最近は染色体異常として見つけることのできない、MDSに特徴的な遺伝子異常も検出できるようになり、診断に用いられるようになってきています。

出典:Rafael Bejar, et al., New England Journal of Medicine, 2011; 364:2496-2506

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