品質保証業務で培った経験を活かし
医薬品の安全を守る
- 星長 夕貴子ホシナガ ユキコ
- 品質本部 品質保証部
2023年度入社 -
- #キャリア
- #本社
- #品質
入社までのプロフィールを教えてください
大学院では生命農学研究科に所属し、ビタミンC不足などの高酸化ストレス時に認められる体内の変化(壊血病の諸症状)が起こる仕組みを遺伝子レベルで研究していました。「卒業後は人の生活に関わる仕事がしたい」と考えながら企業説明会に足を運ぶうちに、医薬品の分野で人の健康に関わることができる製薬業界の仕事に共感し、進路を決めました。
私は協和キリンに入社する前に他社での経験があり、医薬品の品質に関わる分野でキャリアを積んできました。新卒で入社したのは先発医薬品メーカーで、主に固形剤を製造している製造所の品質保証の部署(QA)に配属されました。工場で発生する変更や逸脱などに対して、製品の品質を保証するために必要な対応策を検討し、状況に応じて現場の方と協力しながら問題解決に取り組んできました。ここで医薬品工場の品質保証の業務に携わりながら、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理および品質管理の基準)の考え方や実践について学びました。
その後、試験のオペレータ業務を経験し、前職ではでジェネリック医薬品メーカーの本社で品質保証の仕事に就きました。業務に携わるなかでGQP(Good Quality Practice:医薬品製造販売の品質管理基準)について学び、自社工場だけでなく他社の製造所とのやりとりを通じて、より広い視点から業務をハンドリングすることの重要性を感じました。
入社のきっかけと、入社後に感じたギャップとは?
協和キリンを知ったのは、転職エージェントからの紹介がきっかけです。製薬業界で働くうちに供給不安などの問題に直面することもあり、「そういった課題に積極的に取り組み、納得のいく環境でのびのびと働ける職場はないだろうか」と考えていたタイミングだったので、自然と興味が湧きました。
面接では、担当者が私の話を真摯に聞いてくれるのが印象的でした。私がどんな人物で、どんなことをしたいのかをちゃんと話し合い、お互いのために見極めようとしてくれたことに好感を持ちました。また、協和キリンがバイオ医薬品を扱い、グローバルに展開している点も、自分自身の成長やキャリアにとって新たな経験が積める魅力的な環境だと感じました。
入社前は「先発医薬品メーカーなので、あらゆる業務がシステマチックに進むのかな」と思っていましたが、実際にはまだ発展途上な部分もあり、それがよくも悪くもギャップでした。組織の中に課題があれば、部全体で責任を持って改善に取り組む体制が整備され、手を挙げれば自分もそこに携われるところが、この会社の面白さでもあると思います。
現在の業務内容と、やりがいを教えてください
品質保証部で私が担当している製品群は3つあり、各製品の変更管理業務や逸脱対応が主な業務です。
変更管理業務では、たとえば製造所から医薬品の製造手順に関する変更希望の連絡を受けた場合、品質への影響がないか、ガイドラインを満たしているかを確認します。また、必要に応じて社内外と情報連携した上で、変更実施の可否を回答し、製造所に適切な対応をとってもらえるように連絡を行います。製薬メーカーは医薬品の製造販売承認を得るために厚生労働省に申請書を提出していますから、勝手な変更によってその承認事項と実態との齟齬が生じては問題になります。仮に製造所から「こんな変更をしたい」という要望があれば、承認事項や品質に影響があるかを社内の関連部門と一緒に確認し、製造所へ実施可否を回答します。また、変更実施に伴い発生する対応の進捗を各部署と共有することや、変更に伴う品質への影響などの評価結果を文書として記録に残すことも重要です。
そして逸脱処理は、工場から「製造中にイレギュラーな事態が発生した」、「手順を誤った」などの報告があった場合に、医薬品の品質に影響があるかどうかを確認して製品化へ進めてもよいかを判断する業務です。
どちらの業務も、判断やアプローチが難しい案件に直面することがありますが、重要なのは患者さん視点で判断することです。製造所や関連部署とうまく連携でき、進展したときはやりがいを感じます。また製造所と本社で意見が異なる場合でも、患者さん視点やガイドラインを守りつつ、双方の意見を調整し、無事に着地できたときは達成感があります。
協和キリンで働く魅力とは?
「多様性を大切にしてくれているな」と感じる場面が多いのが魅力の1つです。上司との面談でも、個人の能力に応じ、今後どのように取り組めば成長できるかを見てくれているのが伝わってきます。また、社内の風通しがよく、役職や階級に関係なく「◯◯さん」と呼び合っているので、社員同士がカジュアルに話しかけやすい雰囲気があります。
職種や人によりますが、リモートワークやフレックスタイム制度が導入されている点も非常にありがたいです。私の場合、基本的には在宅勤務で週に2〜3日ほど出社していますが、その日の予定に合わせて「午前中は自宅でリモート会議に出席、午後から出社」のように柔軟にスケジュールを組めるので、予定の調整がしやすいです。ちなみに、私は協和キリンへの転職を機に上京しましたが、フレックスタイム制度によって朝の通勤ラッシュによって混雑する時間を避けて通勤できるのも助かっています。
職場環境の魅力とは?
私の部署は約半数がキャリア入社で、リモートワークでも職場に早く馴染みやすい雰囲気があり、入社当時はとても安心できました。また、会社の企業文化改革の取り組みとしてKABEGOEという活動があり、普段関わりの少ない自部署や他部署の方々と垣根を越えてコミュニケーションをとる機会があるのも魅力です。品質保証部では、OCHAKAIという名称で、所属しているメンバーを対象に複数の少人数グループに分かれて交流する機会が年に数回あります。私も活動の運営に携わっており、企画や準備を楽しみながら進めています。
先日は「一緒に業務をしたことのない人でも、顔と名前がわかる人を増やそう」というテーマで、他部署と共同で約100人が参加する大規模なOCHAKAIを開催しました。嬉しいことに「顔見知りが増え、気軽に話かけやすくなった」、「他部署の方との距離が縮まり、仕事の相談がしやすくなった」などの声もあり、キャリア入社者やリモートワーク環境下でのコミュニケーションの場になっていると実感しています。
今後の目標について教えてください
担当している製品に対して、より一層の責任を持って対応できるようになることが今の目標です。近年の医薬品を取り巻く環境の変化から、私が担当する業務においても求められる知識が増えていくことが予想できるので、本質を理解して柔軟に対応できるようになりたいと考えています。
また、2024年1月にOrchard Therapeutics社が協和キリンの仲間となったことで造血幹細胞遺伝子治療などの新しい分野にチャレンジできる環境が整いつつあり、非常に興味を持っています。品質保証を担う製品も増えていくと思うので、もしも自分がそのような新しい分野を任せてもらえる機会があれば、しっかり対応できるように知識をつけていきたいと考えています。
One Day Schedule1日のスケジュール
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09:00
始業
メールや1日のスケジュールを確認します。
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10:00
グループミーティング
週1回、業務の進捗確認や担当している製品の課題の共有や変更、今後の進め方について相談します。
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11:00
打ち合わせ
技術移管中の担当製品について、社内の関連部署との打ち合わせに参加します。
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12:00
昼食
出社時はオフィスの地下でお弁当を買うことが多いです。お店でランチをすることもあります。
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13:00
変更管理業務
各所へ情報を確認したり、連絡文書を作成したりします。
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14:00
逸脱処理
工場から届いた報告に対して、内容を判断するための確認作業をします。
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15:30
打ち合わせの準備
翌日の打ち合わせに備えて、資料の確認や準備をします。
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16:00
製造所との打ち合わせ
メールベースでやり取りすることが多いですが、複雑な変更や逸脱の場合は打ち合わせのなかで詳細の確認を行います。製造所からの相談を受け、何ができるのかなどの具体的な対応策を検討することもあります。
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17:00
資料作成
連絡文書などの資料を作成します。
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19:00
終業
作業のキリのよいところで終業します。
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20:00
英語学習
先生と1on1のオンライン英会話形式で英語を勉強しています。3ヶ月に1回、グローバル会議で英語を使って発表をする機会があるので、英語の研鑽は欠かせません。会社から費用補助があるのもありがたいです。