薬物治療の注意点
お薬は医師が処方した通りに飲みましょう
医師は、個々の患者さんの症状や状態に応じて、飲むお薬を選択しています。このため、患者さん自身の判断で飲む回数、時間帯を変えると、効果の判定ができず、適切なお薬の種類や量を決めることができません。また、副作用が出たときにも、対応することが難しくなります。お薬に対して、疑問がある場合には、担当医に相談してください。
副作用を怖がり過ぎず、お薬はきちんと飲みましょう
お薬の副作用を心配するあまり、お薬を規則正しく飲まない患者さんもおられます。お薬の副作用として、便秘、幻覚などの精神症状、眠気、吐き気などの症状がみられることがあります。吐き気や食欲低下は治療の導入期に生じることがありますが、2〜3か月もするとほとんどの患者さんで消失します。
便秘は、パーキンソン病の症状の一部なのですが、お薬の影響でより強まることがあります。担当医と相談して対策を講じます。
幻覚は薬で誘発されることがありますが、病気の初期からみられることはほとんどなく、高齢、罹病期間(りびょうきかん)が長いこと、認知症がある場合、昼間うたた寝をする人、など精神症状が出やすい要因があるといわれており、誰にでもみられるわけではありません。
眠気は一部の抗パーキンソン病薬で生じることの多い副作用ですので、社会生活の状況によっては注意が必要です。パーキンソン病で使われるお薬は、重篤な副作用が少なく、副作用が現れた場合でも減量や中止により抑えることができます。
パーキンソン病では、お薬をきちんと飲まないと症状がよくなることはないので、気になる症状については、担当医に相談し、規則正しくお薬を飲みましょう。
パーキンソン病のお薬の急な中止は避けましょう
お薬を突然中止すると、症状が悪化するだけでなく、高熱や体の硬直、意識障害、無尿などが症状の悪性症候群をひきおこす可能性があります。進行期の患者さんでは、命にかかわる可能性もあるので、自己判断での中止は避け、担当医に相談してください。